成功率100%ではないワケ
卵を投入した後の火加減や混ぜ具合が0.5秒単位で変化していくので、カルボナーラを作る場合は判断力を一定に保つために、キッチンでのワインは控えめに。それでも、卵がダマになりそうだったり、パスタのゆで具合に不満があったり、途中で入れるゆで汁の分量に問題があったり、成功率100%ならず。実力は互角でも得失点差で負けて悔しい思いでピッチを去る後ろ姿のよう。
銀座「むぎとオリーブ」の濃厚卵のまぜSOBA
このイメージもあり慎重に、慎重に。パスタをゆでて卵と絡める重要な任務は私なので手を抜けません。できたらその任務を押し付けて責任を取りたくない気もするが、厨房には船頭は二人必要ないという平松洋子さんの言葉に従って淡々と。ああもうそろそろの一歩前でフライパンをあげて、お皿に盛りつけ、10秒で写真を撮り、30秒後に一口。全ての条件を満たした、まるできれいに決まったリオネル・メッシのシュートの必然性を思い浮かべるような出来具合に、二人で思わず笑顔を見合わせてしまいました。
残ったソースは、ホクホクにゆでた(パスタを茹でる直前に同じ鍋でゆでた)グリーンアスパラに付けると、ほっほー、濃厚なソースと青空に向かってすくっと伸びた姿も思い出してニンマリ。それでもお皿に残ったソースは、指ですくってチュウチュウ。
そういえば毎日行っていた調布の気になるおじさん
今日はいませんでした、残念。時間が遅かったのか、きまぐれなのか。せめてどんな樹なのかと近づくとイチョウでした。堂々と繁り他を圧倒するような大きな影も立派。
往復2時間40分の移動なので、じっくりと本が読めるのも楽しみです
今週は『ひさしぶりの海苔弁』(平松洋子 著安西水丸画)を。ママボリンケンに勧められるままに週刊文春の連載を読んでますが、まとまった単行本も手に入れてました。食材や料理に対するあたたかくてウィットに富んだ文章を読み進めると安西水丸さんのイラストが飛び込んでくる。美味しいワインの変化や食材のもたらす振幅も感じてうなってばかり。
そろそろみょうがを漬ける季節だねなんて二人でヒソヒソ話してます。
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