ワンタン麺が食べたい!
新しいようで伝統的。ラーメンという言い方よりも支那そばという呼び方がぴったりする「八雲」。L型のカウンタ、全てが見えてしまう厨房。麺を茹でながら焼き豚を切り、丁寧にプレートに並べる店主。それを受けて助手は、太めのシナチクを丁寧に選び、麺が出来上がるとてきぱきと盛りつけ。奥にはひらすらワンタンを作るもう一人の助手。もう一人は、片付けをしたりの洗い場担当。この四人の動きをぼんやりと眺めていると出来上がったのが「白だし特製ワンタン麺」。
まずは透明に澄み切ったスープを
煮干と鰹節の透明感溢れる香りに醤油の旨味がこれ以上ないほどにブレンドされて、思わずため息をつかぬまま、一口、二口、三口。このところ煮干し系が多かったのでとても新鮮で、ああこれが東京ラーメンの進化形なのかな。昔銀座にあった東興園(小津安二郎が愛した店)に仕事帰りのママボリンケンと合流してよく通ったことすらも思い出して。
どっちから食べようかワンタンを
まずは海老ワンタンを一口。アチチ、あまりに熱いのでレンゲに取り出して、半分にしてもぐもぐ。海老の歯ごたえと香りがたまりません。続いて肉ワンタン。これもウマイ。つるつるした皮はセクシーなほど。おもむろに、スープによくあったやや細めの麺をすすると、いやもぉなんともいえない幸福な思いに包まれて、ようやく一息。
焼き豚は肉汁がじんわりにじみ出て噛みごたえ十分。麺をもうひとすすりした後にワンタン、そしてスープ。食べ急がないようにじっくり味わう喜びに心も静かに揺さぶられてました。
初めて降りてみた池尻大橋
確か前職の同僚が入院した病院があったようなおぼろげな記憶がありましたが。電車で行くのは初めて。幡ヶ谷でも感じましたが、首都高が縦断している街並みって身近ではないのでなんとなく違和感と息苦しさ。それでも、ちょっと裏道に入るとほっとする場所も見つかるんです。
なんでも、目黒川は起点から溝渠(こうきょ)化されて目黒川緑道になっていて、その周辺には昔ながらの建物もあったりもします。池尻大橋という地名や橋があるわけではなく、池尻(世田谷区)と大橋(目黒区)の境界に駅があるために付けられた名称だそうです。
おいしいワンタン麺を食べに行くついでに色々と物知りになってしまいました。
■八雲
東京都目黒区大橋1-7-2 オリエンタル青葉台 2F
・月・木・金:11:30~15:30
・水・土・日:11:30~15:30 17:00~21:00(スープ切れ終了)
・定休日:火曜
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