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ひとりひとりに迫る質感 デヴィッド・ボウイが亡くなってからもう1年以上も経ったなんて今でも信じられない。今でもそこにいるかのような感覚に取り憑かれているのは三週間前に『DAVID BOWIE is』を寺田倉庫で観てきたからだ。
デビューからジギーになる前 ジギー時代 ジギーを捨てソウル~ファンク ベルリン ポップアイコン 突然の沈黙 10年ぶりの復活~★
1960年後半から2016年までのキャリアを大雑把に分けるとこのように分けられるのだろうか。個人的にはジギー時代=グラムロック時代とベルリン三部作(特に『LOW』『HERO』があまりにも鮮明で、それ以外は断片的だった。
2013年にV&Vでスタートし世界中で展示されている『DAVID BOWIE is』に出かけてみたものの、膨大すぎる情報量に圧倒されてしまった三時間。時系列というよりもテーマ別の展示だったせいもあるのかもしれない。それでも当時の衣装を目の当たりにすると生々しくクラクラしてしまった。
ヘッドホンが貸出され、目の前の展示と音楽がシンクロするのも面白かった。曲に合わせて歌っているファンも多く微笑ましい。きっと、「Star Man」で♪僕は誰かに電話せずにはいられなくてだから君を選んだ…をカメラ目線で見つめられてうっとりとしたことも思い出しているのかな。
今は慌てて時系列で残されたアルバムを追いかけている最中。山本寛斎、高橋靖子、鋤田正義、大島渚などの日本人とのかかわり合いも奥深いことにようやく気がついている。貴重かつ膨大な大きさの公式ガイドブックを翻訳した野中モモさんの『デヴィッド・ボウイ』(ちくま新書)は整理され読みやすく、ロック系の評論家の文章よりも時系列的に抑えることができる一冊だ。
死を覚悟していてもクリエイティブな輝きを失わなかったボウイにもう一度会いたくて、それがお別れになるのかわからないが、なんとか時間を作ってもう一度『DAVID BOWIE is』に行かないといけないと思い始めている。
■DAVID BOWIE is http://davidbowieis.jp
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