今月になって読み返しているレイモンド・カーヴァー
心打たれる「ささやかだけど、役に立つこと A small good, thing」
数年振りにどうしようもなく読み返したくなって、ここ二週間はもうどっぷりのレイモンド・カーヴァーの日々。人間の記憶なんて曖昧で都合のいいところだけ妙に覚えていて、今になって、ああそうだったのねと気が付いたりして。映画でも本でも音楽でも、その繰り返しの蓄積がその作品を味わう奥行きを深めているように思えます。
子供の誕生日のケーキをパン屋さんにオーダー。でも、その子供は誕生日に車にはねられ病院に、昏睡の末亡くなる。その間、家に戻った夫婦が奇妙な電話を受けていた。それはオーダーしたケーキの受取りを確認するパン屋さんからの知らせ。それに気が付かない夫婦だったけど、パン屋さんからと気が付きパン屋へ行く二人。絶望の中にいる夫婦に、パン屋さんが
よかったら、あたしが焼いた温かいロールパンを食べて下さい。ちゃんと食べて、頑張って生きて行かなくちゃならんのだから。そんなときは、ものを食べることです。それはささやかなことですが、助けになります
噛みしめるほどに味わいが増していくこの話を飽きることなく繰り返し読んでいる時、あのマイン・ベッカーが再会したことを知り、もういても立ってもいられずソワソワ。
おいしいパンの基準ってどうなんだろうかと常々
そして、我が家の基準だったマインベッカーが再開
なんか無性にとってもうれしくてワクワクドキドキ。ああ、どうなのかな、マスターや美人マダムもそのままかなぁ…ちょっと不安な気持ちで数日を過ごし、満を持していたたまれない気持ちで今日の午後に。
でもね、そんな、こっちが勝手に心配しているのをよそに、マインベッカーはマインベッカーそのままで、私たちを迎えてくれました。ああ、マスタの笑顔、マダムの無駄のないキビキビした動き、そして、なによりの幸せを運ぶパンたち。うん、これでなくっちゃ。お客さんも後から後から店内に、待っているお互いも笑顔を包まれてうなずいて。そこにいるだけで幸せに包まれている場所。
タンドリー・チキンとサルサソースのサンドウィッチ、レーズンブレッド
カレーパン、バゲット、そして、大好物のプルンダー・ブロート
遅めのブランチはタンドリー・チキンとサルサソースのサンドウィッチと白ワイン。そして、つまみ食いのレーズンブレッド、カレーパン、待ち焦がれたプルンダー・ブロート。夜は煮込みハンバーグと香り高いバゲットでソースをぬぐぬぐ。
うん、これなんです、これ、これ
隅から隅まであのマインベッカーを噛みしめる幸せ感。ちょっと大袈裟だけど、生きてて良かったぁ、と二人でため息。浦安近辺に住んでいる全ての人に無条件でお勧めしたい、いや分かる人には遠くからでも是非味わって欲しい、そして懸命においしいパンを作っている二人の姿に心打たれて欲しい…。
営業日が土日に変更されて行きやすくなったマインベッカー
浦安市場で食材を探した後に、クルマで数分足を延ばして、おいしパンをマインベッカーで。これからの、お馴染みのコースが再開。ビーチボーイズの『Friends』と同じような、こんな幸せを考えるだけで週末が充実するなんて、ホント、感謝ししたい気持ちでいっぱいです。
■Mein Bäcker マインベッカー
〒272-0144千葉県市川市1-6-7
Tel & Fax:047-711-1015
Open:9:00-18:30
定休日:月・火
BLOG:http://ameblo.jp/aythma/
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