映画を観てサントラに浸る
そんな意味では『リップヴァン・ウィンクルの花嫁』は、観る前に原作を読み観終わった後はしばらくはサントラをよく聴いていた。よくぞこの映像美を創り上げたものだとシーンごとに唖然。『シン・ゴジラ』は石原さとみの再発見がドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』まで続くことに。
『ハドソン川の奇跡』はイーストウッドの描く世界観に参ったなぁと溜息、ラストのユーモアに懐の深さも。『ヒッチコック/トリュフォー』は情報がまったくなかった35年前に手にしていた『映画術』の映像化だけにじっくりと味わえた。
ふくよかで滑らか
昨年リリースされたものの今年の春先に手に入れたホベルト・サーの新譜は夢中で聴き続けていた。そして、そのアルバムを中心としたライブ映像。あの曲をどんな表情で歌っているんだろうかとドキドキ。時折見せる微笑んだ時の口元のチャーミングさも愛おしいほど。
カエタノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルのライブは音源と映像が一緒に楽しめる。ギターと歌だけで半世紀以上のキャリアを観せてくれるなんてなんと贅沢。ホベルト・サーも含めて来日してほしいと切に願うばかり。
今日のサルサ、明日のサルサ
毎年サルサのコンピレーションを作成してくれるピポさんに今年も大感謝。社会現象を背負って熱く突き上げることは今のサルサにはないかもしれないけど、今日のサルサ、明日のサルサには明るい未来と人びとの生活を支え続けている。そういった意味では、エル・グラン・コンボの新譜がいつにも増して眩しい。
心が穏やかに
休日の午前中のようなほっとした気持ちになれるルーマーの新譜は数少ない新譜。今年も新譜を買うことが少ないかわりに、周期的に色々なミュージシャンを聴いていた。
伝説の1973年ツアーの未発表3枚組で改めてヴァン・モリソンの素晴らしさを知り、デビューから最新までとにかく手に入るアルバムを集め聴きていた夏。限定アルバムにはロンドン・レインボーでのライブ映像もまるごと収録されて、噂の美人チェロ奏者も確認。
映画『AMY』をきっかっけにエイミー・ワインハウスばかり聴いていた秋(サントラに収録の「Valerie」に何度も泣かされた)。同じく映画『ブルーに生まれついて』が刺激で若きチェット・ベイカーやジェリー・マリガンばかり聴いている冬。まったく射程に入っていなかったウエスト50年代のコーストジャズ、特にパシフィック・ジャズ・レーベルが気になっている。
多くのミュージシャンを失うなかで
その都度心が痛むほどでしたが、なかでもプリンスの死は時が経つほどに大きくなっていた。プリンスの音楽と魂は決して失われることがないと知っていても悲しくもやるせない。
クリスマスイブに届いた限定生産豪華メイキングブック『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』を読み急ぎしないようにじっくりと読みつつ、来年はどんな映画や音楽が新しい世界を見せてくれるかどうか密かに楽しみにしていよう。
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