きっかけはブルータス「町の中華」特集
イタリアンでも中華でも日本人向けにアレンジされて長年愛されてきている。本格的な店に比べたら成り立ちも違い、気になるのはもっぱらこっちの方。そういった意味でブルータスの『町の中華」は読み応え充分。レストランというよりも食堂、一皿を求めて訪れたくなる店満載。ペラペラとページをめくりながら課題店をチェックするのも楽しみ。そして、気になっていたのが京都カラシソバ特集。
なんでも鳳舞という店が発祥らしく、その店の厨房にいた人が独立してカラシソバを続けているというのが分かった時点で、妙に気になって気になって仕方がない。京都でしか味わえないとなれば大阪出張のついでにちょい京都と前回同様のパターンで。京阪本線特急に乗ると50分410円で祇園四条に着いてしまうのもありがたい。
鳳舞楼
昨年12月オープンの新しい店。ご主人は鳳舞で麺作りの担当をしていたとか。裏道にひっそりとある店はご近所さんが家族連れで訪れ厨房は大忙し。ご主人とスタッフのコンビネーションが噛み合ってないような気がしてちょっとハラハラ。
で、カラシソバ(メニューにはエビカシワソバと)はなんとも言えずおいしい。茹で上がった麺を辛子醤油で和え、あんかけソースを載せる、このあんは、レタル、エビ、しいたけ、鶏肉が程よく炒められていい香りなんです。キャベツではなくレタスというのが鳳舞マナーだし鶏ガラ昆布スープというのも京都らしい。辛さは控えめでやや物足りないかなと思いつつ、麺とソースを絡めてムハムハ。うまいなぁ、うれしいなぁ、憎いなぁ。
龍鳳
ちょっと藤田嗣治っぽいヘヤースタイルのご主人はやはり鳳舞や第一樓のご出身。カラシソバは第一樓から考案されたとか。こちらのカラシソバは鳳舞楼と違いピリッと辛子がアクセント。あんかけソースも濃い目。でも、鶏ガラ昆布出汁でやはり京都の味になっている。出汁の香りも十分に引き立ち味わい深い。
作り方は鳳舞楼と同じで鳳舞マナー。熱々の麺とソースをまずは絡めて少しづつ頬張る喜び。ツーンと辛子、そして野菜と鶏の歯ごたえ、麺が口内で舞い始める。うまいなぁ、うれしいなぁ、憎いなぁと再び。
食べ終わった頃に閉店前の誰もいなくなった店でご主人と色々お話ができました。店は60年続きご主人は40年以上になるそうです。カラシソバの作り方も教えていただき、オススメの裏メニューもこっそりと。京都に行ったら必ず行きたい店が増えました。
■鳳舞楼
京都市上京区新町通中立売下ル仕丁町327-7
■龍鳳
京都市中京区新京極町通六角東入ル北側桜乃町450
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