ヒッチコック再評価のきっかけになった
トリュフォーとのインタビュー本『HITCHCOCK/TRUFFAUT』(LE CINÉMA SELON ALFRED HITCHCOCK)は1966年に出版(英語版は1967年)、日本版『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』はトリュフォー自身による序文・後記を加えヒッチコックが亡くなった翌年1981年に出版された。当時ヒッチコックの映画は今のように手軽に見ることが出来ず、もっぱらこの本を読みながら色々と想像していたものでした。
このドキュメントは、多くの映画ファンに観て欲しい。ヒッチコックを知らない人にとっても、少しでもヒッチコックの映画を観たことがある人にとっても、『映画術』を熱心に読んでいる人にとっても、多くを気づかせてくれる。影響を受けた著名な監督のインタビューも貴重だ。
個人的にはウェス・アンダーソンの登場に驚き、『グランド・ブダペスト・ホテル』のインタビューで「バイクの追跡シーンはヒッチコックが『引き裂かれたカーテン』でやった追いかけごっこを、なるべく彼のやったことに近付けるように意識して撮ったんだ。正直、作品自体は素晴らしいとは言えないけれど、あのシーンはヒッチコックらしくて、僕は好きだな」を思い出してしまった。
ヒッチコックに進路を取れ
今月文庫化された『ヒッチコックに進路を取れ』はチラシも描いている和田誠さんと山田宏一(トリュフォー関連の書籍数多く、『映画術』も訳者)の対談でハリウッド時代の全作品が分析されているため、これからヒッチコックを観たいな、もしくは観ている人にもとても参考になります。
個人的に好きなのは『汚名』『裏窓』『めまい』『北北西に進路を取れ』あたりかな。年に一度は観返してその前後はしばらくの間ヒッチコックモードにひたってしまうほど。出来たら(無理だと思うけど)年末年始はじっくりヒッチコックの映画を観ていたい。
■ヒッチコック/トリュフォー公式サイト
http://hitchcocktruffaut-movie.com
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