Them that's got shall get,
Them that's not shall lose,
So that's Bible said, and it still is news.
Mama may have,
Papa may have,
But God bless the child that's got his own!
That's got his own.
Yes, the strong gets more
While the weak ones fade.
Empty pockets don't ever make the grade.
Mama may have,
Papa may have,
But God bless the child that got his own!
That's got his own.
Money, you got lots o'friends
Crowdin' round the door.
When you're gone and spendin' ends,
They don't come no more,
神は、自分で持つ子に祝福をお与えになる!
自分で稼ぐ者だけに。
金さえあれば友達が沢山できて、玄関先に群がってる、
だけど使い果たして、一文無しになってごらん、
もうだれも寄り付かない。
人気歌手になったビリー・ホリデイが母親のために店をオープン。大盤振る舞いがたたって店は赤字。それを埋めていたのが娘。ところが、金欠になった娘が無心に行くと母親は断固拒否。それで作ったのがこの曲。もうひとつの説は、曲作りに困窮していたアーサー・ハーツォグJr.がビリーに相談し聞き出した言葉が「God Bless the Child」で、両親・兄弟、身内が持っていてもダメ、神様は自分で持っている子だけを祝福するという教訓。これをヒントに作詞作曲。両者の主張は真逆だけど、持つ者は富み栄え、持たざるものは失うのみ...という聖書の言葉は今も昔も同じ。
映画『BILLIE』はビリー・ホリデイの生き方に共感し10年間関係者にインタビューを続けていた白人ジャーナリスト、リンダ・リプナック・キュール。トニー・ベネット、カウント・ベイシー、チャールズ・ミンガス、親戚、ポン引き、麻取...へのインタビューによって導かれるビリーの本当の姿。同時進行で語られるリンダ・リプナック・キュールの姿。二人に訪れる不可解な死。残された膨大なカセットテープ音源と写真の組み合わせで克明に二人の物語が進行する。
驚いたのは、カラーで蘇るビリー・ホリデイの姿。冒頭のスイングする「Now or Never」からぐっと引き込まれてしまった。リズムにゆったりとした身を任せ、フレーズのごとに首を横にかしげる時の愛らしさ、多弁な口元、笑顔。これが本来の魅力溢れる姿だったんだなぁと思わず見入ってしまった。アリサの『AMZING GRACE』でも思ったけど、対訳された歌詞と一緒に観ると、その曲への理解度が深まる(まっ、そのまま分かればいいんだけれどもネ)。
リンチに遭って木に吊るされた死体が腐敗していく...「奇妙な果実」は最後のTV出演のカラー化。♪木蓮の甘く爽やかな香り、突然漂う焼けた肉の匂い...。黒人の虐殺が日常茶飯事だった1939年の作、21世紀になっても差別・虐待は続き、おまけに白人や黒人によるアジア人へ暴力、事態はますます複雑化していると思う。
話は戻り「God Bless The Child」、色々とカバーがあるけど個人的に最も愛着があるのがキース・ジャレット・トリオの1983の録音。1985年来日時の映像もまた素晴らしい。曲の持っているゴスペル感覚を見事に表現しているアレンジだと思う。
■BILLIE
https://billie-movie.jp
最近のコメント