予想の付かない不意打ちに一種の放心状態
ここ一ヶ月で山形〜仙台〜東京で様々な味噌味を食べ続けてきましたが、これほど予想がつかない味に出会えるなんて。蟹味噌に白子…白子をどのようにトッピングするのかなと思ってましたが、蟹味噌スープの中に大きな手で白子をひとつかみ入れて(たくさん)グツグツと。ざく切りの白菜と細切り油揚げをひとつかみスープに投入。これでどんな味になるか予測不能。
カルピスバターの静かな混乱
スープを一口。蟹、白子、僅かなニンニクと生姜の香りが惜しみなく口内に広がる。五口まで堪能した後に額に汗した後にスープの底から麺を引き出しすする。溶け始めたカルピスバターがまとわりついて僅かな抑制、いやぐんとシフトアップしたような唐突な変化に驚く。もう一口麺をすすり、改めてスープを一口。
少し落ち着き白子を、そして白菜と油揚げ。ここに白菜と油揚げを持ってきたところが気持ちのありかがあるのではないだろうか。
団子の正体は
ちょっと写真では見えづらいが直径4cmほどの団子。半分に割ってさらに半分に割ってスープに馴染ませ一口。ふわふわで、これはなんだろうと思いながらもう一口。好きなんだ、団子が。ミートボール、まつやの鴨南蛮の団子…。半分食べて、最後の最後に残り半分を食べるのが常。でも、つみれなのか団子なのか判明せず、帰りがけに大将に尋ねると
「豆腐の団子。ふわふわでウマイでしょ」
なぁ〜るほど豆腐だったのか。
おいしい…という言葉以上見つからないまるで「あちら側の世界」を見せてくれたような柴崎亭。ここで巡り会い愛を交わし、それでいて注意深い幸福のような、夢のような。意識が陽炎のように揺らぎ薄れていきそうだった。
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