魅惑のラーメンへの愛に散る
豚骨と鶏出汁のダブルスープ。清楚で運命的な出会い。気高い姿に圧倒されつつもまずは一口。美の極致をなぞるようななめらかさと妖しさにまとわりつかれて立て続けに二口三口。細麺をすすり、生姜の甘酢和えとネギの香りに翻弄されて捩れるほど。美しい覚悟を決めた私に残されたのは最後まで夢中になることだけだった。
それと分かるスタイルを待っていた
山椒のピリリとしたアクセントを心静かに待ち受ける塩煮干。人生に何度か訪れる晴れ姿は誰でも分かるようで分からないほど。その空気感のなかで知り得る何かなのかな。心静かな湖に思いがけず波紋が広がるような山椒の風味が、幾度も振り返る別離のような残り香すらも。
ミニ豚肉野郎カレー
豚肉野郎だって。カレーに本物があったら静かに立ち去ってしまいそうな名前。それでも無条件で頼んでみると、その無骨な盛り付けの奥に広がる出会い頭のようなものに一気に引き込まれてしまう。
…ちょっと酔っ払って下書きを始めたものだから正しいラーメンの話になっていない様子。豚骨と鶏をブレンドしたスープはどこまでも清々しいく爽やか。意表を突く生姜の甘酢和えにはただもう驚くばかり。一方、山椒塩そばは山椒の香りが美しすぎるほど。豚骨&チキンらーめんとミニ豚肉野郎カレーは限定のために一期一会。定番のラーメンと意欲的な限定で毎回揺さぶられてしまう。
コメント
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