Casa de Borinquen

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 北寄貝ベース不純100大盛り 引きというよりもむしろ攻めを忘れない強気の不純に家元復活を知る

近頃はやや不規則な営業日
BLOGをこまめに見ておかないと急な休みに対応できない。不純は決まって火曜日だが今日（水曜日）が不純。日曜日の北寄貝スペシャルをベースにした不純は、北寄貝を前面に出したというよりもむしろ攻めを忘れない強気な仕立て。がんこらしさ、家元らしさを充分に感じることができる鋭利なおいしさに酔わされてしまった。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 夜光貝＆紅ズワイガニスペシャル100大盛り 深い余韻が尾を引き大映時代の若尾文子のあの微笑みを思い出していた

まだ本調子ではない家元
それでもお店を開けると平日にもかかわらず長蛇の列二時間待ち。一昨日の夜光貝をベースに紅ズワイガニを加えたスペシャル。

「夜光貝と紅ズワイガニのブレンドですか？」
「うん、鉄板（の旨さ）デス！」

と、きっぱりと家元。激しさや強気というよりも、ふくよかでマイルド。静かで深い余韻。奥様が太鼓判を押す気品に溢れた味わいに、ああウマイなぁ...と溜息。近頃気になってる大映時代の若尾文子のあの微笑みを思い浮かべるほどだった。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 沖縄夜光貝上品スペシャル大盛り 初体験の上品スペシャルは貝のコクと醤油の切れ味がまるで無双円月殺法のようだった

前夜のBLOG告知でも分からず
常連の方とも「はて？どういうのやら？」と並びながら会話。ドキドキしながらカウンターに座ると左の大きな寸胴が上品スペシャル、右の小さな方が100と逆転。その姿におおぉ！と。迷わず上品スペシャルの大盛りをお願いすることに。実は上品＝自由が丘は久しぶりだったので期待でワクワク。

コクのある夜光貝スープに醤油味。どこにも曖昧なところがないストレートな味わいに唸ってしまった。その切れ味はまるで無双円月殺法のようだったと気がつくのは食べ終わる直前だった。次は塩でと家元が話ししていたけど次回の具材は次回のお楽しみ。

そうそう、無双円月殺法で思い出したけど、2/17(土)に放送される田村正和主演のドラマスペシャル「眠狂四郎 The Final」（フジテレビ系・21:00～23:10）で吉岡里帆ちゃんが時代劇初挑戦、田村と初共演することが決定。火曜日のドラマが今ひとつ食い足りないところがあるので、また違う顔を見せて欲しいと期待。
https://www.oricon.co.jp/news/2104400/full/

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 栗蟹スペシャル100大盛り とにかくうれしかった、おいしかったぁ

12日ぶりの家元の姿
コンディションが戻らずも久しぶりの家元の姿にとにかくうれしかった。

口が戻ってないので何でも苦く感じる
水を飲んでも甘く感じる
女房に聞いたらおいしかったと思う

今回はこたえたと家元と短い会話をしながら待っていることも12日ぶり。家元にかわって奥様がOKを出した蟹スペシャル。ほんのりとした甘さが最後まで続く塩分控えめが最後の味わいを深めている。静かな安定した語り口に耳をすませてしまった。

ゆるやかな坂道
はやる気持ちをおさえて小走り。真っ青な朝の空。がんこに向かう高揚感も何故かうれしかった。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 納豆汁100大盛り 初めての納豆汁をこわごわすするとそこにはほんわかと幸せを呼ぶ世界が広がっていた

初めての納豆汁
生涯初の納豆汁。ましてや納豆汁ラーメンなんて想像もできなく、それでもがんこまで来つつどっしようかな、今日は無難なところで上品＝自由が丘かなと。待っている廊下もそこはかとなく納豆臭。玉子を取りに来た家元と立ち話。

「納豆汁初めてなんですけど...」
「はじめてかい？ウマイよ」
「どんな感じですか」
「ラーメンに納豆が入った感じだよ、アハハ」

さて
...納豆汁です、と出され、スープを一口。おお、これが納豆汁かぁ〜。臭みよりもマイルドで穏やかでやさしさがじんわりくる旨さに思わずニンマリ。色々心配したのがうそのような。スペクタルな味わいにはない、こたつでぬくぬくとしているうちに寝てしまったようなほんわか幸せを思い出してしまった。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 柿100大盛り 柿ときいて甘さを思い浮かべるもなく強気の塩気に戸惑うほどの旨さがじんわりと後を引く

ああ、やっと
家元のBLOGを刻々と読んでいてハラハラドキドキ。

月曜日：定休日
火曜日：大雪のため安全を考慮して休み
水曜日：海老の殻の渋みが全面に出たため休み
木曜日：材料のひとつが届かず休み

鉄板の柿スープ
四日間もじれていたものだから馳せ参じると33人待ち。久しぶりの柿、はてどんな味だったか色々と考えていた。熱々のスープを一口。柿ときいて甘さを思い浮かべるもなく強気の塩気に戸惑うほどおいしい。う〜ん、なるほど一筋縄ではいかないがんこ味に痺れる。それでいてじんわりと甘さと旨味が後を引きはっとしてしまった。

都心でも日陰はコチコチ。
恐る恐る氷上を歩くことに。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 アルゼンチン赤海老12kgスペシャル100大盛り ぐぐっと迫る海老の香りがすぅっと引くと旨さが そこには温かさと励ましがあるし、創造性があるんだ

ドライアイススープとは
家元のBLOGを読んでいると見慣れぬ「しかも久しぶり のドライアイス スープで作る...」と。家元に尋ねてみると、水の中にドライアイスを入れて炭酸を含ませること。色々とやってみてはいるけどうまくいかなかったとか。今日はアルゼンチン赤海老12kgスペシャル。さて、その効果は？

ぐぐっと迫る海老の香り
これに引き込まれてスープを立て続けにすする。海老の香りがすぅっと引くと旨さが口内にぐわっと広がり官能に震える。そこには温かさがあるし、励ましがあるし、創造性がある。ああ、やっぱり旨いなぁ...と溜息をついていると、家元が、

「ほんとうにラーメンが好きなんだね」
「ラーメンも好きだけど、ここが好きなんです」
「もう少し早く出逢えばよかったね」

なんか、ホロリとしてしまいそう。
家元が作るラーメンには夢にかたちがある。だから何度食べても鮮やかな記憶として忘れることができないものだな...と。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 純正マブシャブヒロポン悪魔 コクとキレがないまぜになって出てくるものだからファン＝信者にとってはたまらない

 

いつも迷う
上品にするか悪魔にするか、普通盛りにするか大盛りにするか。行くと決めてからと店前で待つ間にと。で、カウンターに座って思ったのが悪魔。昨日と構成は一緒でもスープが違う。悪魔の場合は大盛りではなく普通盛りが最近の傾向。

コクとキレ
慣れ親しんだヒロポン＝悪魔でもほんの僅かに味わいが違いところもがんこに通い詰める醍醐味。もしかして昨日のトンビ風味が残っているのだろうか、潮の香りや節も感じるコクとキレがないまぜになって出てくる。尖ったところもなくスムーズな静かな余韻。ああ、やっぱりウマイなぁ...と駅までのゆるい坂道をニタニタ。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 大量トンビ悪魔100大盛り 待ちに待った休み明けにしみ入る海の香りと塩気が伝える情動の力に酔う

中毒者も初めての人も
うん、この雰囲気と店から漂ってくるあの悪魔臭に逸る気持ちを抑えてずら〜っと並んで静かに開店を待つ。ああ、これこれ、これなんだ、11日もがんこ日照りが続いたものだから待ちきれない。

いつものね
と家元。今日は珍味と呼ばれる大量トンビ悪魔。赤い丼がすでに温められていて迷わず100大盛り。トンビのことはあまり詳しくはないが、この海の香りとほどよい塩気が伝える情動の力に酔わされてしまった。ああ、やっぱりがんこがないと...とつくづく思ってしまった。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 活ハマグリスペシャル100大盛り 鼻孔をひくひくさせ潮の香りいっぱいを味わった後にふくよかな甘さが広がり溜息悶絶

大好きなんですがんこのハマグリ
ハマグリの度に万難を排しがんこへ。8:40到着12番目、持参の椅子も不要。『ヒチコック映画読本』（山田宏一著）を読みながら待つと9:40開店。

鼻孔をひくひく
ぐわっと広がる潮の香り、そして、ふくよかに広がる甘さが旋律的だ。官能のふるえをおさえきれないかのように無我夢中。途中で一休みして、あ〜あ、ウマイなぁと溜息悶絶。早い時間帯だったせいか心なしか悪魔肉が多め、手羽先も大きめで、ちょっぴりうれしい。

店先には正月飾りも
前から気になっていたことを尋ねてみる。

「BLOGはガラケーで作っているのですか？」
「そうなんだよ、それで（入力）するから眠くなっっちゃう」

なるほど、やっぱりそうだったんだ。で、帰り際「...ということで明後日からよろしくネ」と家元。1/9〜1/17までゆっくりお休みください。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 一昨日の貝柱と鮟鱇スープをベースにした不純悪魔100大盛り 解像度よりも味のレイヤーから生まれる恍惚と陶酔に痺れる

正月三が日は元旦のみだった
元旦は金華ハム＆ホタテ貝柱（ウマかった！）、二日は夜光貝＆朝日ガニ（行けず無念）、三日はホタテ貝柱＆鮟鱇（行けず無念）。んまぁ、三日連続でがんこ参りというワケに行かないのも仕方がないにしても、行けずに悶々としながら家事に専念してました(^^;

居てもたってもいられず
味の立方体がでかく！ 旨味も強く！ 旨かった◎♪...と家元BLOGに書かれていたスープをベースにした悪魔スープのみならば、これはと四谷三丁目途中下車。10:38着23番目も次の予定にも支障がなくありがたい。

恍惚と陶酔
一口目から恍惚と陶酔。このまろやかでどこか包み込むような味わいにすっかりマイッてしまう。たて続けにスープをすすり溜息。トッピングされた貝柱をまぶして麺はいつも以上のウマさ。具材に特化した解像度よりもレイヤーを意識させる繊細で大胆な味わいは、際どいところで踏みとどまっている、もしくは一番いいところで筆を置くタイミングから生まれるのだろうか。

今日もヤラれたなぁ...と思い帰り際

「う〜ん、なんとも言えずウマイなぁ」
「そりゃそうだよ、（一昨日の）そのままじゃなく、手を加えているからネ」

家元のニヤリとした笑顔も印象的。
さて、明日からの三連休はどんな風になるか、行けるか行けないか。そして、1/9〜1/17の休みに耐えられるだろうか...。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 金華ハムとホタテ貝柱スペシャル塩大盛り 封印を解かれた塩は一年の計は【がんこ】にありにふさわしい素晴らしさに溢れていた

どうしても食べたくて
地元で初日の出を見たあと直行、8:13着17番目。うん、まずまず。幸いに常連の方の隣だったので色々とがんこや家元の話をしているとあっという間に開店。

封印されていた塩
金華ハムの香りとホタテ貝柱の滋味。どこまでも澄んだ清廉潔白なスープ一口目で自分自身で確かなものとしていて根づいていた思いを無造作にひっくり返されてしまうおいしさに旋律すらも。味覚、知性、想像力と独特の艶。大盛りにもかかわらず白い丼を合わせてくるセンス。一年の計は元旦にありというが、一年の計は【がんこ】にありと幸せをしみじみ。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 今年100杯目のラーメンは純正マジシャブヒロポン 追従を許さない度胸の旨さにこれでもかと攻めまくられ意味もなく悶絶

今年100杯目のラーメン
記念すべき100杯目はやっぱりがんこで決めたい...んまぁそれほど御大層なことではないんですけどネ。西新宿直行の予定が途中で立ち寄りもあり、やはり丸ノ内線途中下車（定期があるので）。

「今日で100杯目なんです」
「ほぉ〜」
「頑張ったね」
「でも、ほとんどウチなんでしょ」
「いやぁ〜、そうなんです」

なんて家元、女将と話していると出てきたのが純正マジシャブヒロポン。「今日は90点です」と屈託のない笑顔に「いつも満点です」とかえしながらスープを一口。ムム、アハ、そう？、アアン...ただ絶句。ヒロポン＝悪魔味への想いがつのり込み上がりそう。やはり忘我にみちびく媚薬が混入しているのではないか。久しぶりの手羽先をちゅーちゅーしながらもしばし呆然。

並びも真冬仕様...なのか
10番目で折り返しなのは暖房の都合なのか、奥の店への配慮なのか。開店直後にかかわらず通りまで並んでいたので、やや焦ってしまったが折り返しが変わっていたせいなのね。もしかして今年最後になるかもしれないので家元〜女将に挨拶をして店をあとにすると急にしみじみしてしまった。大晦日〜元旦など色々とあるようだけど行けるかなぁ...。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 あん肝と鮟鱇の本身の不純100大盛り このまろやかさはと尋ねるとつなぎと説く

つなぎといえば
密偵と鬼平のとのつなぎ＝連絡網、あるいは引き込み役と盗人とのつなぎ＝連絡...とか思い出し、携帯もインターネットもない江戸時代には重要なコミュニケーションのひとつだった。

一週間ぶりのがんこになった今日は、日曜日のあん肝5kgと鮟鱇の本身10kgのスペシャルスープを使った不純。まろやかでスムーズな一口目、香り立つあん肝と鮟鱇の本身がじんわりと攻めてくる。カウンター左端のため家元に尋ねると

「今日は88点です」
「いや〜、いつでも満点以上だと思いますが。で、このまろやかさは」
「つなぎです」
「あん肝が？」
「それぞれ（具材のよさを）つないでくれるんです」

なるほどそういうことだったのか。このこくの深さの秘密がつなぎにあったのか。家元の背中を見ながらつくづく感じ入った次第だった。

一条流がんこラーメン 総本家@四谷荒木町 目の前で札幌味噌ラーメンスープ切れ ううん、悔しい気持ちも家元のサインを見ているうちにホロホロと解けていく不思議

やはり無謀だったか
船橋で用事が一件、佐倉で用事が一件。急遽その足で（クルマで）駆けつけ到着13:38、42番目。列は折り返し表通りまで。大丈夫かな...とハラハラしてましたが、14:00過ぎに家元が現れ人数確認後目の前でスープ切れ。年に数回の味噌だっただけに落胆したものの、家元直筆のサイン（サービス券）を眺めているうちに、あ〜あ〜という悔しい気持ちもホロホロとほぐれて、なんとなく潔いような穏やかな気持ちに。

「味噌の次回はありますか？」
「おお、正月だよ」

それを信じて正月を工面しなくては。

今日の反動で、火曜日は不純、水曜日は純正ヒロポン、金曜日も...とか考えている次第。そのサービス券、なんか、もったいなく＝恐れ多くて使えないなかも...。