これほどまでにおいしいとは
事前告知では
2.5キロの肩ロース180本分を30リットル
3日間で合計12時間煮込んだ他に類をみないというかやらない出汁の濃い豚清湯を柴崎亭ときくやで提供します。
昨日の試作が個人的には凄く美味しかったので間違いない奴に仕上がると思います。
これはもうどんなことがあっても駆けつけないと水曜日からソワソワしっぱなし。カウンターに座り厨房に鎮座する焼きたての焼豚と無駄のない麺作りを交互に眺めているだけで喜びが湧いてきて笑みがこぼれるほど。
ああ、とため息
小ぶりの丼にやや厚めに切った焼肉三枚が浮かび、丁寧に折りたたまれた麺。そしてなによりも底まで見えてしまいそう透明で澄みきったスープ。汚れのなさと巧妙さに動揺して呆然。手をつけるのをためらうほど、いや早く知りたい...と静かに葛藤。
一口、二口、三口
熱々のスープをすする。幸せが幸せを呼びこみ口内で舞う。脇のほうから少しずつ麺をたぐり一口。丁寧な茹でに独特の湯切り。スープとの絡みも長い間知りえた男女のよう。焼きたての焼豚はあっさり目でスープに浸すとちょうどいい塩加減でジュワッとくる。
ああ、こうした素晴らしいめぐりあいに酔わされて最後の一滴までスープを飲み干してぼんやりしていると
シンプルでいいでしょ
と大将に声をかけられ我にもどる。出汁の濃い豚清湯と麺の関係はキース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンのデュエットのようだなと帰りの車中で思い、建築家の「神は細部にやどる」を反復してました。
ねぇ、やっぱり飲食でも(音楽や映画でも)スペック=高級食材に頼らず誠意や真心が伝わるような店=場所が生き残っていくんじゃないかな。
最近のコメント