トリプルスープから始まって
豚をベースに和出汁と蛤のスープでコクと深みを生み出すトリプルスープ。これに、大豆醤油と白醤油をブレンド。一口すすって、いやもう一度、いやもう二回もすすって大きくため息。セップ茸のフレーバーオイルとフレークをちょっとだけ溶かして麺をすすると、引きずるようにその香りとトリプルソースの旨味が追いかけて来るので、たまらなくなって眼はうつろに。
これ以上シンプルに成り得ないラーメンにフィル・スペクターのウォール・オブ・ サウンドを感じるなんて初めての体験。(味玉そば(醤油))
いやいや、それだけでは済まされない
基本のトリプルスープに、なんと白トリュフオイル。出会い頭の衝撃に、これ以上踏み込んだら人生が変わってしまう期待と不安。まるで、サルサを知って人生が大きく変わってしまった頃の想いを蘇えさせるような衝撃。ああ、これは、ああ、どうして。琥珀色の瞳を覗きこむと輪郭が黄色く滲んでいるのを見つけて胸が苦しくなることすらも想い出します。
トッピングされた塩漬けラード(ラルド)が徐々に溶けて味に奥行きと深みが広がるなか、麺をすすると後追いする白トリュフの香り。まるですがりついてくるような味わいに思わず箸を止めてしまいました。二日目はやわらかく噛むほどにじんわりくる煮豚塩そば、三日目は味玉塩そば大盛り。
そうそう、厨房をぼんやり見ていると、味玉や煮豚は温めているんですね。
こめかみからじんわりと汗
四日目の今日も裏金色不如帰=一汁三にぼし裏不如帰。前回気になっていた限定10食の「台湾極にぼ」を。にんにく入りの台湾風ひき肉、ニラ、しらす。混ぜてしまう前に、ちょうどニラのあたりの極煮干のスープを一口、いやもう一口。ああ、これなのねと堪能した後に、おもむろに手前のトッピングされた台湾風味のソースと麺を絡めて一口。ぐわっと辛味が襲いかかりたじろぐものの、そこは一気にもう一口。
こめかみから額、そして頭のてっぺんまで吹き出す汗。少し落ち着かせてスープを一口。ニラと麺を絡めて、台湾風味のソースと絡めて、丼の中が乱反射。スープと具を混ぜてご飯と一緒なら麻婆ご飯のよう。抑えが効かなくなってやや暴走。
こんなに夢中になって
銀座の「篝」、つつじヶ丘の「柴崎亭」(営業時間が平日は夜のみに変更)に並ぶほどの衝撃の四日間。もし、新宿に用事があるのなら、ちょっと時間をさいて幡ヶ谷で下車。裏路地を抜けるとそこには「前のめりに悶絶の世界」が待ってます。来週のとこかでまた行ってしまうのだろうか。
■SOBAHOUSE金色不如帰
東京都渋谷区幡ヶ谷2-47-12
03-3373-4508
月~水、土、日 11:30~15:00/18:30~22:00
木 11:30〜15:00(一汁三煮干裏不如帰)
定休日:金
https://twitter.com/ptwgqjbfwgjw
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