リック・ホールのフェイムスタジオ
そこから独立たマッスル・ショールズ・スタジオ
リック・ホールの元に集まったミュージシャン(しかも全員白人)が織りなすサウンドの素晴らしさを再認識できるドキュメント映画「黄金のメロディー マッスル・ショールズ」。劇場で見逃していたので、週末にBlu-rayで。フェイムスタジオのオーナーでありエンジニア、プロデューサーのリック・ホールを中心にとても丁寧に描かれてます。
その音楽を創りあげた自然や社会情勢とミュージシャンシップ。知っていることも多かったけど、知らないこともたくさんありました。個人的にはもっと黒人音楽寄りだと良かったと思いますが、ローラ・ニーロのエピソード(「Christmas and The Beads of Sweat」のA面)とか、デッドにいたドナ・ゴドショウはフェイムスタジオでバックコーラスしていた(アレサ・フランクリンとか)とか、知らないことも多くてためになります。ラスト近く、ディランの「Pressing on」を歌うアリシア・キーズもまぁ悪くない。
下記のボックスのライナーに「三次元にするにはエコールームも使った。たいていヴォーカルはややドライに、バンドはそれより少しウエットに、ホーンやバッキング・ヴォーカルはかなりウェットに録った。そうすると層ができる」とあり、それをミキシング・ボードで操っていたんだなぁと。エンドロールが終わってのリック・ホールの言葉を引用しておきます。
プレイヤーを数人集めて何かを弾かせた時、不完全でもそれが人間らしさだ。
ドラマーが椅子から落ちようと私は気にしない。リズムを乱さなきゃね。椅子に這い上がれば「いいぞ」となるはずだ。
人間らしさは力になる。そういう不完全さが音楽には必要だと思う。
今は特にね。それが名曲を作る魔法なのさ。
以上が今日の説教だ。(リック・ホール)
CDが売れない今の時代。売れないのはいい音楽が少ないからだと思う。いい音楽を作れないからだと思う。売り方も悪いと思う。こうした事のヒントがこの映画=音楽にあると思うけどネ。
観終わった後、2011年にリリースされ繰り返し愛聴している「THE FAME STUDIOS STORY 1961-1972 Home of the Muscle shoales Sound」を、充実のライナーや写真を共に、最近好きになったMarker’s Markをちびちびしながら聴いていました。
気になり地図を見てみると、二つのスタジオってホント近いんですね。また、ジェリー・ウェクスラーの自伝「私はリズム&ブルースを創った」で引っかかっていたこともよく分かりました。
■黄金のメロディー マッスル・ショールズ
http://muscleshoals-movie.com
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