今年で50周年を迎えてのメディアミック戦略。雑誌やラジオ、そしてベスト盤。流石の大御所感が出ているけど、『ユーミン万歳』は、ちょっと選曲が(個人的には)何故かピンとこない。好きだった曲が漏れていたりで歯がゆい。なもんだから、自分で Apple Music プレイリストを作って楽しんでいる。雨音に気づいて遅く起きた朝にもぞもぞしていた女の子が、今日にかぎって安いサンダルを履いて、その空しさを知る。そして、わざとパールピアスを捨てていく。この辺までが、僕の好きな(好きだった)ユーミンかな...。
ジャクソン・ブラウンの先制的なデビュー、ジャクソン・ブラウンの「Take It Easy」でデビューしたイーグルスに何故か新しい時代が訪れた予感がしたことを今でも鮮明に覚えてる。ところがその後のアサイラムのサウンドにはあまり夢中にならず、ベアズヴィルやダニー・ハサウェイやカーティス・メイフィールドらのソウル、スタッフなどのソウル・ジャズの方が好きだったことも事実。
分かっているけど観てしまった Disney+で配信された「ザ・ビートルズ Get Back」を既に観ているので驚きは薄らいでいるが、やんちゃなポールとジョン、時折辛辣なジョージ、クールながら熱いリンゴのドラム、カラフルなロンドン娘たち。IMAX用にデジタル・リマスターされたサウンドはグイグイと迫ってきて痺れてしまった。重要な脇役(いやそれ以上)のビリー・プレストンのファンキーなエレピもグイグイ迫ってきた。Disney+で二度観てしまったからいいかな...と思ったけど、大事な友人のFacebookでの投稿で急遽観ることにして良かったぁ。 https://borinquen.typepad.jp/blog/2021/11/getback2021.html
オーセンティックな集まり 今のスペイン音楽も未知の世界だった。スペインのミュージシャンの力量はジャクソン・ブラウンの『Love Is Strange』(2010)で初めて知っていたが、今は全くわかなかった。C.Tangan(セ・タンガンって読むのかな?)もスペインのラッパー。どうもラッパーって敬遠しがちだったけど、紹介されて昨年リリースのアルバムを聴いてみると、予想を覆すほど私好み。スペインの伝統的な音楽も取り込み、様々なゲスト(トッキーニョ、ジプシー・キング、チェオ・フェリシアーノ、オマール・ポルトゥオンド)を招いたハイブリッドなサウンドが大好きになってしまった。
スペインの曲をカバーしたラララ〜にもぞっこん ハードでいながらロマンティコなプエルト・リコのピート・ペリニョンの「Uno X Uno」にもぞっこん。ラララ〜の繰り返しには夢心地。朝昼晩に2回ずつ聴くほど今のテーマソング。実は2016年マヌエル・カラスコのヒット曲をカバー。こういうサウンドを作ったら天下一のラモン・サンチェスのアレンジも素晴らしい。
サルサ〜ブラジル以外の音楽 今年も新譜を買わずに買うのはBOXのみというのが続いている。ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス 50周年記念スーパー・デラックス・エディション』は充実した内容で全ての意味で意義のあるBOXだった。今年1月に亡くなったフィル・スペクター臭を薄めたつもりでも、やはりフィル・スペクターがいなければこのサウンドにならなかったという意味でもフィル・スペクターの後期が(『Let It Be』も含め)もっと評価されてもいいと思うのが本音だ。
毎年年末近くに発表されるジョニ・ミッチェルの『アーカイヴス Vol.2:リプリーズ・イヤーズ (1968-1971)』は、デビューから4年間を辿る内容。『The Reprise Albums (1968-1971)』と合わせて初期の姿をもう少し内容を掘り下げたいのでしばらくは大事に聴いていきたい。影響を受けた『Hejira』まではあと2年ぐらいかかりそうだけど、ジョニと私の健康が無事であることも色々と考えてしまった。
まず⑥のラテン音楽との関係。とかく、R&Rとのつながりで語られるビートルズが多いが「Twist And Shout」を題材としたラテンとの関係。キューバのソンとのつながりをオリジナルのアイズレー・ブラザーズと比較しながら解明していく。ポールのベースが2-3のリズムになっているとは、いままで意識してなかっただけに新鮮だ。
『Let It Be』から50年、ビートルズの活動時期の数倍の経過している今、<創造性や自由や抑圧をめぐってビートルズの音楽と存在が投げかけた問は、情報が世界を支配する21世紀のいま、ますます重みを増しているように思えます。この本はそれをお伝えしたくて書いたようなものです>と北中さんは締めくくっている。ふと思ったのが、系図やコネクションを解きながら世の中の影の支配者を浮き彫りにしていく広瀬隆の手法。表層をなぞるスピードだけが重要視される世界を生きる私達によっても重要なメッセージではないだろうか。
最近のコメント