私の体験することができなかった1969年前後の東京
1949年生まれ、独自のプロデュース・スタイルで手がけたミュージシャンは数多く、故伊丹十三の監督作品の音楽監督も手がけている立川直樹氏の『TOKYO1969』 を図書館で借りて一気に読んでいた。きっかけは、大阪の友人とのメールのやりとりで立川直樹氏の名前が出て、そういえば『音楽の聴き方 - 聴く。選ぶ。作る。音楽と生きる日々とスタイル。』を店頭で手に取って面白そうだと覚えていたことも合わせて借りてみた次第。
・六本木(ムッシュ)
・渋谷(森永博志)
・新宿(J·Aシーザー)
・青山(岡田大貮)
この4者へのインタビューを軸に、音楽と映画話をインサートし、私の体験することができなかった1969年前後の東京を中心とした文化の成り立ちがビビットに描かれる。街でいえば六本木と青山の話が刺激的だった。音楽は1969年に名作と呼ばれるアルバムがリリースされていることに改めて気づかされた。1969年に起きたことの年表と巻末の制作日記との対比も効果的で刺激的だった。
私が東京に住むようになったのは1969年よりもっと後で、遠く仙台から眺めていた場所への憧れや戸惑いがないまぜになっていたことを思い出す。それでも1969年前後の混沌とした部分は街のあちこちに点在していたようだった。現在のように「情報が民主化されてしまって」いなかった分、自分で探しに行くことを繰り返していたけど、ある意味幸せだったようが気がしてならない。
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