待ちこがれた上品
しかも牛骨上品ならただではすまない。凄みすら覚えて身震いしてしまった。しかも、あくまでも涼しげな表情を崩さないから始末におえない。スープ一口で戦慄、夢中で立て続けに五口六口。さりげない奥行の演出、後味すっきり感、見事なまでに透明なスープに繰り広げられるある種の高揚感。「ああ、うまいなぁ」と溜息をつくと、家元が
100とかは味の決め手となる幅が広い。
上品はその幅が狭い。朝一番でスープを試すとよく分かる
ようやく元通りになりましたよ
と、ニヤリ。なるほど上品はぴたっと寄せるのが難しいものだと納得。なんども思うけど、ぎりぎりまで削り落とし、崖っぷちの味。そして日々変化する味。それらがないまぜに迫ってくると、もぉタマラン。週に1回は100大盛り、週に1回は上品(並)、どこかでスペシャル。こういうペースで長く通いたいナ、やっぱり。
アルファ状態
今読んでいる村上春樹訳の『スタン・ゲッツ 音楽を語る」の中のスタン・ゲッツの言葉「何かをクリエイトする最良の方法はこのアルファ状態に入ることなんだ。アルファとは〈リラックスした集中〉と呼ばれるものだ」。私にとっては青空の元のアサガオ、そしてがんこの上品がそういうものなのだと思う...。
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