で、最近のマイブームのグレン・キャンベルの6枚目のアルバム『Gently On My Mind』にひっそりと収録されているバージョンがとてもいい。本人が弾いている(と思う)アルペジオのイントロやオブリガート。べたつくことなくさらりと歌いながら、彼女への情感を切々と歌い上げる。カントリーを超えてポップス歌手としてブレイク直前の爽やかさもにじむ。いいんだなぁ、好きだなぁ。アルバムジャケットも(以前はこの手は敬遠していたけど)素晴らしい。こんな髪型で、こんな風なジャケット、モズライトの12弦ギター、ちょっと憧れちゃうな。
オリジナルはストリングスにシュガーコーティングされているが、バンドスタイルの『See You There』はグレン・キャンベルの男臭さや温かみもダイレクトに伝わる名演奏。ジミー・ウェブとのデュエット『Just Across The River』は、後半の切なさが極まるほど美しい。異色なところでアイザック・ヘイズのカバーも独特の切り口で最後まで聴かせる。
2011年に初期のアルツハイマー病と診断され、その後ラストツアー。ナッシュビルでラスト・レコーディングを開始。「I'm Not Gonna Miss You」は2014年にベスト・カントリーソングを受賞。そして、今月ラストアルバム『Adios』をリリース...。ポップスとカントリーをクロスオーバしーていた姿ももう見ることはないともうと少し寂しい。
三位一体から生まれ出る奇跡 柴崎亭の濃厚豚スープ、アンタイヌードルから魅惑の焼豚、くじら食堂からの噂のピロピロ麺。熊本地震チャリティーコラボ。これだけ並べると豪華絢爛をイメージしますが、とまるでビル・エヴァンストリオのようなおっても上品でリリカルな一杯。多くを語らずそれでいて奥行きのあるスープに翻弄され、茹でる直前まで丁寧にほだされた麺、じんわりとしっとりとした焼豚。これらが美しいまでに三位一体化されると生まれ出る奇跡。ああ、これはビル・エヴァンスの『Portrait In Jazz』ではないかと。
最近のコメント