和田浦の海を堪能したら、やっぱり千倉でおいしいお寿司が待っている昼下がり
お寿司は夏がおいしいのか冬がおいしいのか...なんて話。夏は酢の物が体が欲するんです。でも、その旬のお魚を食べることが大事なんです、と。当たり前だけど当たり前に出来ないことって数多いけど、旬の食材を味わう。そして、次の年までそのことを思い焦がれることも大事。
大徳家さんは、カウンターもテーブルも満席
座敷にも次々にお客さんは訪れて、大忙しなのに、大将はいつもの笑顔で出迎えてくれました。淡々として注文をさばいている姿にも、何故か凛々しい男の色気のようなものを感じて、ああ大将も今が旬なのかなとか。
まずは、つまみで①カツオ②なめろう③地タコの刺身を。カツオの風味を増してくれるゴマとポン酢、初めて食べたなめろうの奥深さ、噛めば噛むほど甘さが広がるタコ。そういえば、なめろうのことで朝日新聞の取材を受けたばかりだとか。残念ながら大将やなめろうの撮影もあったらしいですがカットされたみたいです、残念。
さて、前回と同様に夏のお魚を握ってもらいましたが
その順番やタイミングの絶妙さに惚れ惚れ...
①いしだい
②やりいか
③まばちマグロのづけ
④かんぱち
⑤アジの裏巻き
⑥タコの卵
⑦モロヘイヤ
⑧アワビ
⑨玉子
⑩穴子
⑪団子汁
⑫スマガツオ(番外編)
二日寝かせた、いしだいのコリコリした食感と軽くかけられたレモン
寝かせないとゴムみたいらしいです、なるほど。夏のお寿司にふさわしいスタートにママボリンケンと顔を見合わせして「おいしい~」。やりいかは梅のジュレで。なんとシャリを巻き込まれて、指で支えられないに握られた、めまばちマグロのづけはとろっと口の中で溶けてしまいます。出されるタイミングも順番も委ねてしまう心地よさに酔いしれてしまいます。とろっとする意味では、かんぱちの炙りも、脂身がとろけていきます。アジの裏巻きは見た目も美しいのですが、しそとポン酢風味が効いていて、夏の夕方縁側に佇んでいる浴衣美人のよう。
ここまで、お醤油を使ってないことに気が付きました
とろとろする今が産卵期タコの卵。お口直しのモロヘイヤ。ああ、こういう手もあったのかとのけぞりそうです。アワビは肝が半ナマで乗せられて歯ごたえとぬるっとした食感。コシの強い卵焼きをつまんでそろそろ終わり。何か練り物でこのコシの強さが出るのかなと訊ねてみると、火加減だけですと。ああ、口の中で溶けてしまう穴子。
いつもは、サービスのお吸い物で締めるのですが、隣の人が頼んでいたのが気になり団子汁
アジとワラサ(ブリの一つ前)の団子は、我が家で作るミートボールのよう。これにも参りました。個人的に、こういう汁ものってちょっと臭みがあるのであまり好きではないで敬遠していましたが、この団子汁はそういうイメージを払拭するほど深い味わい。しめサバ、コハダと苦手意識のあるお魚の本当の良さを何度も何度も教えてくれる大徳家さんの大将に感謝。
最後にとっておきの
ああこれはまるでジョブズの「One more thing」ではないですか
最後に是非一貫食べて見て下さい、と。目の前でさばかれるスマガツオ。ザッザ、シュリシュリ、包丁の音がリズミカルでちょっとうっとりしていると、カツオらしいきれいで上品な色合いが目の前に。口に含むと、すぅっと鼻に抜けていく香りはカツオそのもの。もっとそこを、いやこれ以上、ああん、そうじらさないで、背中がゾクッとして飲み込む時に喉がゴクリと。音にならないようなため息。息を止めていたので苦しくなりそうでした。目を開けて3秒ぐらい経過してから二人で「おいしいぃ!!!!」。全てのお客さんが引けたカウンターで、これ以上はもう望めない世界に酔いしれてました。
魚も種類によっては寝かせないと本来の味が出ないと教えられました
う〜ん、仕事もプライベートもその瞬間に判断して行動する必要がある場合と、ある期間寝かせておくべき場合もあるのかもしれませんね。まぁ、そんな話も、今度は泊まりで、私もおいしいお酒も選んでいただき、千倉の夜を満喫したいものです。
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