そりゃもうぼんやりと長く生きていますから色々あります。ここ数日間で二つの別れ。ひとつは、ポール・ニューマン。もうひとつは広島市民球場。なんか、大きなものを失ったような気がして心が重いです。
死滅した映画館
物心ついたころにはすっかり映画ファンになっていた私。当時は、規制もゆるく中学生でも一人で映画を見に行っても怒られない時代でした。当時の、ニュー・シネマがその中心でしたね。何せ、VTRもDVDもなく映画館で見るしかない時代。封切りや二番館での三本立てでも、とにかく色々見ていました。「スティング」「明日に向かって撃て」「卒業」「真夜中のカウボーイ」「小さな恋のメロディ」、渡り鳥シリーズを中心とした日活アクション、日活ロマンポルノ...。たいてい一人でしたが、4歳年下の妹ともよく行きました。当時は、音楽も映画も、そんなに細かいジャンル分けがなく、洋画/邦画でくくられていました。
本で読んだ(歴史的な)映画と話題の映画を食い入るように見ていました。当時は入れ替えがなかったので、気に入ればそのまま居ついて何度か見たり、学校をサボり路面電車に乗り怪しい映画館で若松孝二系も見ていました。今は、それらを見た映画館は全て消滅してしまいました。もう、何十年もまえのことですから仕方がないですが残念ですね。
ナリモノ
社会人になっての初めの赴任先が広島でした。南観音という場所は、夕方になると風が止まり経験したことのない湿度と熱気で夜も眠れない状態でした。それでも、不平を言わずに住み着いていたのは若かったせいでしょうか。会社の人、毎日行っていた食堂の親父やお客、どこへいってもカープファンだらけで、自然とカープファンになってしまいました。
ナリモノがすごい球場で観た、浩次、衣笠、北別府、大野...そりゃ強かった。江夏の22球の年の初のリーグ優勝。球場もナガレカワも異常な熱気に包まれていました。優勝の瞬間、繁華街にいましたがニワカファンの私も美酒に酔っていました。旧態化した球場に代わり、南区に新球場を現在建設中の話はここにも詳しくあります。もしかして、中日に勝って3位になれば、トナーメント出場。まさか、リーグ優勝なんて、最近は珍しく新聞のスポーツ欄もチェック入れています。
今晩、タイミング良くBSで「スティング」をやっていました。騙し騙されるフックの効いた楽しい映画でため息の連続でした。なんか、小林信彦氏の何故か再発の「紳士同盟」「紳士同盟ふたたび」を再読(もう何度目になるのかなぁ=スゴイ好きです)したくなりました。今読んでいる「一瞬の夏」そしてその次の「パティ・ボイド自伝」に次に読みたいと思います。
そして、「スティング」の後に、志ん朝さんの「今戸の狐」を見ました。うん、CDからずいぶん筋が違いますが、符帳に絡めて寄席の裏話満載で一気に楽しめました。
最近のコメント