現在との地続き Live at the Red Garterから1年、ウッドストックの2ヶ月前、Live at the Cheetahの2年前、 1969.6.29〜8.24に「Harlem Cultural Festival」が開催された。そのドキュメント映像は50年以上も公開されず倉庫に眠ったままだった。貴重なライブと現在の視点でのコメントが見事に編集され、ある意味では今のBLMとも地続きだということに気が付かされる。
6.29 フィフス・ディメンションズ - Don’t Cha Hear Me Callin’ Ya?, Aquarius/Let the Sunshine In アビー・リンカーン/マックス・ローチ - It’s Time, Africa (w/ Abbey Lincoln) エドウィン・ホウキンス・シンガーズ - Oh Happy Day (w/ Dorothy Moore) ジョージ・カービー/オラトゥンジ スライ&ファミリー・ストーン - Sing a Simple Song, Everyday People,Higher
7.13 マヘリア・ジャクソン - Lord Search My Heart, Precious Lord Take My Hand (w/ Mavis Staples and Operation Breadbasket) スティプル・シンガーズ - Give a Damn, Help me Jesus, It’s Been a Change ハーマン・スティーヴンス&ザ・ヴォイシス・オブ・フェイス レヴァランド・ジェーシー・ジャクソン &ジ・オペレーション・ブレッドバスケット・バンド
7.20 スティーヴィー・ワンダー It’s Your Thing, Shoo-Bee-Doo-Be-Doo-Da-Day デイヴィッド・ラフィン - My Girl グラディス・ナイト&ザ・ピップス - I Heard It Through the Grapevine チャック・ジャクソン プリンキー ルー・パークス・ダンサーズ
7.27 モンゴ・サンタマリア - Watermelon Man, Afro-Blue, Cloud Nine レイ・バレット - Abidjan, Together カル・ジェイダー ハービー・マン - Chain of Fools (w/ Ron Ayers), Hold On, I’m Comin' (w/ Sonny Sharrock) ロイ・エアーズ ソニー・シャーロック ハーレム・フェスティヴァル・カリプソ・バンド
8.17 ニーナ・シモン - Backlash Blues, To Be Young Gifted and Black, Are You Ready? B.B.キング - Why I Sing the Blues ヒュー・マセケラ - Ha Le Se Le Li Khanna, Grazing in the Grass ハーレム・フェスティヴァル・ジャズ・バンド
この頃はあまり聴いていないだけに見直したのがB.B。見事なファンク・ブルーズ。ベンディング、ヴィブラート、やや歪んだサウンド、文句なしのライブ。才能が爆発寸前のスティーヴィー、危険で色悪感満載のデイヴィッド・ラフィン。ダニー・ハサウェイ〜アリサ・フランクリンもカバーしている「To Be Young, Gifted and Black」を誇りいっぱいに歌い上げるニーナ・シモン。
プールでの上からの俯瞰(ミュージカルらしい)、ダンスクラブの圧倒的なダンス〜突然の停電〜花火、Carnaval del Barrio、ラスト近くのベニーとニーナのバラードのミュージカル的仕掛け。別れの日ウスナビがバネッサのために買ってきたシャンパンを飲まずにどうなったのかな...と心配しているとちゃんとラストに。どのシーンを切り取ってもドリーミング。躍動感とキュートさが夢を忘れかけている私にグイグイ迫ってきた。
知性とユーモア マイラ・カルマンの夫は『REMAIN IN LIGHT』のジャケットデザインを手掛け、マイラ自身もデイヴィッド・バーンと絵本を出版するなど長年の仲間。今なお余韻が続いている『アメリカン・ユートピア』では緞帳のデザインを手掛けている。本編ではちらりとしか映らなかったけど、実際にライブを待つ間にこれが見られたらどんなに楽しかっただろう...と想像するだけでもいい気分になる。
Them that's got shall get, Them that's not shall lose, So that's Bible said, and it still is news. Mama may have, Papa may have, But God bless the child that's got his own! That's got his own.
Yes, the strong gets more While the weak ones fade. Empty pockets don't ever make the grade. Mama may have, Papa may have, But God bless the child that got his own! That's got his own.
Money, you got lots o'friends Crowdin' round the door. When you're gone and spendin' ends, They don't come no more,
人気歌手になったビリー・ホリデイが母親のために店をオープン。大盤振る舞いがたたって店は赤字。それを埋めていたのが娘。ところが、金欠になった娘が無心に行くと母親は断固拒否。それで作ったのがこの曲。もうひとつの説は、曲作りに困窮していたアーサー・ハーツォグJr.がビリーに相談し聞き出した言葉が「God Bless the Child」で、両親・兄弟、身内が持っていてもダメ、神様は自分で持っている子だけを祝福するという教訓。これをヒントに作詞作曲。両者の主張は真逆だけど、持つ者は富み栄え、持たざるものは失うのみ...という聖書の言葉は今も昔も同じ。
驚いたのは、カラーで蘇るビリー・ホリデイの姿。冒頭のスイングする「Now or Never」からぐっと引き込まれてしまった。リズムにゆったりとした身を任せ、フレーズのごとに首を横にかしげる時の愛らしさ、多弁な口元、笑顔。これが本来の魅力溢れる姿だったんだなぁと思わず見入ってしまった。アリサの『AMZING GRACE』でも思ったけど、対訳された歌詞と一緒に観ると、その曲への理解度が深まる(まっ、そのまま分かればいいんだけれどもネ)。
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