喜劇 とんかつ一代を観てからもう二週間
♪ ハァーっとんかつの油の滲む接吻をしようよ...と映画のモデルとなった井泉 本店に行きたいと。ようやく昼下がりに訪れることができた。大きなL型カウンターの真ん中は厨房が真正面。玉子をくぐらせパン粉を盛り、ステンレスの台の上でぐぐっと固める。油の中に滑り込ませ丁寧に揚げ、揚げ終わったら縦に油きりに置いて予熱を回す。そして、映画で気になっていた専用のまな板を使ってあっという間に切り分け、予め用意していた皿に盛り付ける。ああ、なんという無駄のない手際の良さにうっとり。出来上がりを厨房からそのまま出してくれるのもうれしい。
かりっとじゅわっと
特ロースかつ(普通のとお肉が違うんです、と説明された)とキャベツとちょんとのったパセリ。まずは何も付けずに一口。かりっとした衣がサクッと音を立てたと思うとじゅわっと肉汁と脂身が口内に広がり、こりゃたまらない。しかも熱くてハフハフ。次は、井泉特製ソースを少しかけて、練り辛子をとんとのせて一口。初代が試行錯誤の末に作った甘辛いソースがこれほどまでに合うなんて驚きの旨さ。
お新香の旨さにご飯おかわり
厚めに輪切りしたネギたっぷりの熱々のとん汁はこってりおいしかったが、なによりおいしかったのがお新香。上品なつかり具合と塩加減。箸休め以上に主役級。とんかつを一つだけ残し、たまらずご飯おかわり。お新香ととん汁でご飯を食べて、最後に残しておいたとんかつをなごおり惜しくも味わう。名前入りの茶碗のお茶を一口飲んで、あ〜あ、おいしかったと一人ため息
会計時に女将さんと立ち話。なんでも渋谷で映画を見た後に来るお客さんがいたらしく、私もそうだったからなんだかうれしくなってしまった。二階には座敷があるので、とんかつを頼む前にかにと胡瓜のサラダや海老コロッケをつまみにビール、その後にとんかつ...なんて会合も良さそうだな。
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