一度行ってみてけさいん
何人かに言われて片道一時間、しかも朝から雨という悪条件ももろともせずに一路丸森町へ。仙台東部道路〜常磐自動車道路経由。途中土砂降りでハラハラしましたが、なんとか開店直後に到着したものの、もう既に行列、30分待ち。ひっきりなしにお客さんが到着して人気の程も伺えます。
おお!このスープは!
おすましのような透明感を目にしてしばし沈黙。一口すすって、ん?これは何出汁?二口三口すすって、鳥ベースに鰹節か?おそらく煮干は入れていないダブルスープだろうか?あっさりとしながらも奥に深い味わい。柴崎亭のスープが攻めのスープなら、きく屋のスープは受け身の姿勢。
麺の茹で加減もちょうどいい具合の細麺。とろけている煮玉子。しっとりと色っぽいチャーシュー。軟骨がコリコリして生姜と大葉が隠し味の鶏団子。それだけでも主役になれる具材を、バランスよくまとめているスープ。「おいしいねぇ」とアンジー・ママ。「こういうのが理想型」とママボリンケン。
まるで、ビーチボーイズ「Pet Sounds」のインスト曲「Let’s Go Away For Awhile」の深淵な世界観、もしくはジョージ・ハリスン「My Sweet Load」でのツインドラムが入る瞬間(1:44あたりから)のチャーミングな音の重ね具合、スティービー・ワンダー「You Are The Sunshine Of My Life」の幸福感、アイズレー「Between The Sheets」のなめらかさ、ロベルト・ロエーナ「El Progreso」のシルキーな視線。一杯のラーメンから様々な音が聴こえてきてたまらなくなりました。
さらにチャーシューおにぎりの追い打ち
チャーシュー丼とか追加で注文すると、意外に味がくどかったりして後悔することが多いのですが、このおにぎりはさっぱりとしててほんのりとした黒胡椒の風味が心地いいです。海苔を巻いてがぶりと、気のおけない雰囲気も気に入り、お土産に三個頼んでしまいました。
ご両親がお寿司屋さん
この店は元々はご両親が営んでいたお寿司屋さん。その店を息子さんが(昨年)ラーメン屋さんにしたんです。ご両親は隣の空き地で今でもお寿司屋さんをやっています。正直言って宮城県のラーメン店ランキングの2位になっていることには驚いていますが、おいしいお店が評価されることは、やっぱりうれしいです。休日は他県ナンバーも多いです。近所に住んいるんですが、お客さんが来ているので連れてきました。
順番待ちしていると女性に話しかけられて、色々と教えていただきました。12:00前後には続々とお客さんが訪れ、子供連れや家族連れや老夫婦などばかりで、ラーメンヲタクなどは皆無。もしかして、おすましのようなスープの由来はお父さん直伝なのかもしれませんね。うん、こうした地元密着のお店から生まれる愛情一杯のラーメン。うん、俄然支持したいですネ。
■きく屋
宮城県伊具郡丸森町字大舘3-36
Tel:0224-72-4190
コメント
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