昨年末から鬼平で盛り上がる私
年末年始のバーゲンで文庫本を1〜24巻大人買い。志ん朝さんの朗読を車中で聴きながらの帰省。志ん朝さんは木村忠吾役でTV出演していたので適役のキャスティング。四ヶ月かけて文庫本をゆっくりと噛みしめるように読み終えてため息。連載中の「誘拐」が作者逝去のために未完。密偵おまさ(大ファンで鬼平のヒロインかと)とレズビアン盗賊お夏の絡みがどうなるかは闇の中のまま。
しまいには、中村吉右衛門のTVシリーズにまで手を出してます。鬼平の実年齢と、吉右衛門の実年齢が合うまでオファーを断っていただけに、他で考えられないほどの贅沢なキャスティング。同心や密偵も役者揃い。今まで、活字でしか味わえない世界が目の前に展開されるワクワク感、エンディングテーマのジプシー・キングの調べにもぞっこん。
当時断片的にぼんやり見ていた筈ですが、改めて観ると京都ロケもあって実に味わい深いものです。TV化される際に、原作にないセリフもあって「貴様ら外道の刀で、あの女のイロが斬れるか(血闘)」の決め台詞=啖呵にシビレれます。また、原作でも頻繁に出てきていた食べ物や酒のシーンも思わず身を乗り出してしまいそうです。
池波正太郎記念文庫
東京スカイツリーまで来たので別行動で訪れてみました。台東区立中央図書館内の中にひっそりとある「池波正太郎記念文庫」は、長年時代劇小説を書き続けていた作家らしい重厚な雰囲気につつまれてます。校正中の原稿、蔵書、身の回りのもの等を見渡すだけでため息が出てきそうでした。
蔵書は館内に限り閲覧の出来るようになっています。中でも圧倒的だったのが、ガラス張りで再現している書斎。もう、食い入るように覗いてしまいました。初めて見るような江戸の古地図などの資料を背にし、隙がないほど原稿や資料に埋め尽くされる机からは、作者の体温すらも伝わるようでした。この机で以下のような台詞を書いていたなんて、ため息。
人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ
善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける
悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ
私のような駆け出しには、江戸町巡りなど様々なサイトが参考になります。中でも、コピーライターの故西尾忠久氏(1930.6.9 - 2012.7.28)の「『鬼平犯科帳』Who's Who」は貴重な資料満載です。色々と参考になるのでじっくりと読んでます。
う〜ん、サルサもソウルもロックもSNSDも忘れて=打っ遣って、聴くのはキース・ジャレットのピアノぐらいで、それ以外は鬼平漬けの日々。しばらくは続きそうです。
■池波正太郎記念文庫
https://www.taitocity.net/tai-lib/ikenami/
■『鬼平犯科帳』Who's Who
http://chuukyuu.info/who/edo/index.html
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