人にはそれぞれに桜を楽しみ場所がある
志ん朝さんの落語に「桜って寂しがりやだから人が集まってあげないと」。何の噺か思い出せないんですが、人(シト)も寂しがりやだから、季節の変わり目に短い時間に咲き始める桜に、こうも心惹かれるのではないかな。咲くのが早いとか遅いとかではなくて、やっぱりあそこで眺めたいとか思って気もそぞろになり始めるのも春らしい今の気分。冷たい雨や風に打たれて寂しそうに揺れている桜よりも、朝の早い時間に真っ青な空と眩しいくらいの光に包まれた桜が大好きです。
昨日は買い物ついでに境川両岸をクルマで往復して、ただなんとなくいいなぁ...とやり過ごしてしまいましたが、今朝の天気を見て、いつもよりも30分早く自転車で駅に向かいました。自宅を出ていつものランニングコースを辿りながら駅へ。ゆっくりと走りながら、そして、自然と足を止めてぼんやりを仰ぎ見る桜径の美しさに、ただもう心しみてなんとも言えず。朝露で濡れた自転車の車輪に散り始めた花びらがまばらに付いていたり、木漏れ日に恥ずかしそうに瞬きする花、大きく息を吸って風に揺れている枝の影。
名所になっていて下世話な姿を晒している場所に比べて
ひっそりと私たちの生活に寄り添ってくれている境川の桜径
地震や原発事故で、二年前にあの切羽詰まった心の拠り所を静かに落ち着かせてくれたのも、ここの桜でした。
ああ、ほんとうに良かった、散り急がずに待っててくれて...
今日は朝から一日中雨。お願いだから散り急がないでネ(4/2 朝に)
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