友を好きになること以外何が必要だろう?
ドライで単純な友人言葉は要らず見るだけの友人
友情がいくらあっても足りない友人
平和な友人
ケンカ友達
バーで飲むための友人
ヴィニシウス・ジ・モライスの伝記映画『ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々』をようやく観ることができました。劇場公開で見逃した私はDVDの発売を長い間待っていました。ヴィニシウスは外交官で詩人、ボサノヴァの時代ではジョビンやジョアン・ジルベルトと共にボサノヴァの中心にいた存在。そして、バーデン・パウエルとはアフロ・サンバ、ピシンキーニャの再発見。九回結婚しバイーヤにも住む。ある意味ではブラジル音楽を体感していた人生だったようです。詳しくは映画のオフィシャルサイトが残っていますので、是非見てください。
映画は、それこそMPBの代表的な人達が次々と登場、ヴィシニウスを讃え、曲の出来た秘密を(自演も含めて)紹介してくれます。カエターノ・ベローゾ、エデュ・ロボ、ジルベルト・ジル、チコ・ブアルキ、トッキーニョ、マリア・ベターニャ…凄いメンツですが中でも、バーデン・パウエルと部屋の中で多くの人と一緒に歌う「オッサーニャの歌」が圧巻でした。不揃いなハーモニーとダブルビート。均整をも否定した姿にもブラジルらしさを感じてしまいました。ジルベルト・ジルが《あらゆる多角的なもの、多角的なものが交わるところで、私は最も黒人い白人だ》という逸話を紹介してくれていますが、サンバとボサノヴァ、ボサノヴァとバイーヤが点ではなく面でつながっていることすらも、そしてその元にはショーロもあることも分かる映画です。(ジョアン・ジルベルトとエルゼッチ・カルドーゾの貴重な映像もある)
詩人としての姿も表現されていて重厚な画面ですが、最後にあっけらかんとしたオチもあり、う〜ん、やっぱりブラジル人だな…と、こっちまでつられて大笑い。
「魂の復活を信じるかと誰かが尋ねた」
「もし生まれ変わるなら何になりたい?」
その答えは↑画面を見て想像して下さいネ。寒すぎて走るのを躊躇した午後に、日が差し込んでほんのりと温かい部屋で、ブラジルのことを考えていました。「友達はつくるものではない、認めるものだ」、友人と夫婦を入れ替えてもいいかもしれない…。
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