幻の高座全41席すべて初出し
…なんていわれればいわれれば、価格も驚きの志ん朝さんのボックスセット、しかもCD21枚組(小学館の専用サイトはこちら)。うむを言わずに予約していました。38歳から47歳までの油の乗りきった姿が眩しいです。このシリーズは他にも文楽のを手にしています。文楽のはインタビューなども交え幅広い内容ですが、志ん朝さんのは東横会の高座一本に絞った内容。録音時期が1977〜1985年のために、録音状況、音質などバラバラですが、それがかえって会場の臨場感を伝えています。若く勢いのある部分、もう既に完成されていた部分、今までの音源とは違うくすぐりやフレーズ。何度も聞いている噺ですが、何度も聞いているから逆に新鮮。やはり、いい噺はいつ聞いてもいいというのを再認識しました。願わくば、大須演芸場での録音(1990〜1999)も出ないかな...と。
解説本も堂々とした内容で読み応えがあります。なかでも、談志が語る志ん朝さんへの思いが泣かせます。同じ時代を生きた者同士でないと分からない世界。《「速く落語を演じることが出来なくなった志ん朝」というものも面白いだろうと、今は思います。それが嫌だから、死んじゃったのかもしれないけれど》なんてことは談志にしかいえない言葉だ。
粋な紙切り
21枚のCDは12枚のジャケットに収録。ジャケットは林家正楽の紙切りになっています。寄席の色物として、お客のリクエストによって紙を切りシルエットを作っていくのが紙切り(切り絵といういいかたもある)。小さいときに寄席の中継番組で紙切りをしているのを覚えていますが、今でもあるんですね。落語協会のサイトに三代目林家正楽のページがあるので是非見て下さい。12枚の紙切りそれぞれをながめているとそれぞれの噺の情景が浮かんできますね。
来月は、馬生のボックスセット(DVD+CD)がリリース。年末になるとこうしたボックスが多くなりますね。ところで皆さんはビートルズの赤盤・青盤は入手しましたか?私は、とても手が出ませんのでiTunes上で同じ選曲をしてみようかな…と考えています。
ああ、でも、七十歳になってテンポの衰えやや年齢を越えて、志ん生的な部分が出てきたら、それはそれで楽しみだったなぁ...と、ないものねだりも考えたりもします。
コメント
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