屈指のメロディーメーカー
レオン・ラッセルといえば、スワンプ・ロック。そんなイメージをずっと持っていた。PVもない時代、仙台に住んでいたせいで唯一動くミュージシャンを見ることができたのは映画。「ウッドストック」「レット・イット・ビー」「ギミー・シェルター」...今はなき映画館で貪るように見ていた。今はYou Tubeで気軽に見られるのだからいい時代になったというべきか。
ふてぶてしさ
その中で「マッド・ドッグ・イングリッシュマン」「バングラデシュ・コンサート」で異彩を放っていたのがレオン・ラッセルの存在。肝の座ったふてぶてしい態度、かすれてしゃくりあげる歌い方。「バングラデシュ」では、ディラン登場に何故かベースで登場(後で知ったけどクラウス・フォアマンも唖然としたとか)。当時、南部っぽいサウンドも好きだったため1st~3rdは手にしたものの、いつの日か手放してしまった。
カーペンターズやジョージ・ベンソンのカバーで、えっレオン・ラッセルの曲?!と驚いたことも何度あったものの、もう私自身サルサ時代を迎えていたので、それ以上は深堀りしていなかった。ところが先週、不思議なことにiPhone Xに入れっぱなしの『Retrospective』(亡くなった後に出たベスト盤)を無意識に(おそらくシャッフルで)聴いてから、俄然レオン・ラッセルが気になり始めてきた。
フィル・スペクターとの関係、ジョージやクラプトンとの関係、そういえばアル・ジャローのデビュー盤1曲目の「Rainbow In You Eyes」、エルトン・ジョン、トミー・リピューマ...。改めて分かる屈指のメロディーメーカー。スタジオの裏方を重ねながら虎視眈々と人脈を作っていたのは、どこかスライ・ストーンやトッド・ラングレンを思い浮かべる。Pro Toolsもない時代に多重録音している共通項もある。
今、朝昼晩と何度も繰り返して聴いているのが自身が創立したシェルターレーベル最後のアルバム『Will O' the Wisp』に収録の「Bluebird」。アレンジもバック(ドラム以外は本人の多重録音=スライもトッド・ラングレンも)も歌いっぷりも抑制がありながらどこかふくよかで、レオン・ラッセルの声も艷やか。他に「Lady Blue」という泣かせる曲もあり目が離せない。というワケで、ソロ・デビュー盤や晩年あたりも聴き直してみようと思っている。
そうそう、ORIGINAL LOVEもカバーしていて、田島さんの歌唱への影響も知ることになった。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。