もたれあうはかない人間関係
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの四姉妹は他に置き換えられないほどの豪華なキャスティング。緊張感とテンションを作り上げる綾瀬はるか。末っ子らしい自由な夏帆。新しい末っ子広瀬すずの瑞々しいほどの美しさ。特にサッカー仲間と自転車で桜のトンネルを下るシーン(髪の毛に桜の花びらがまとわりつきいつしか飛んで行く)やはっとするほどの浴衣姿が特に印象的でした。
そして、何よりも長澤まさみ
スラリと伸びた脚と腕とふくよかな胸元。笑った時の目尻のシワすらも愛おしくなるほど。磨き上げられた楽器から放たれる鋭い音色をのようでもあり自由で気ままでもあり、体内の奥深いところで行動しているようでもあり、登場する全てのシーンから目が離せないほどの存在感でした。最近の映画は企画なども含めてぱっとしなかったですが、この映画で一皮むけ、これからの活躍も見逃せない。
そうそう、松本隆さんが最も会いたがっていた綾瀬はるかですが、次作は三谷幸喜の「ギャラクシー街道」でロマンチック・スペース・コメディ。本来のコメディエンヌ振りがどうなのか、今年10月の公開が楽しみです。
姉妹、女と男、春夏秋冬
季節によってめまぐるしく変化する光と影。けだるい朝は長澤まさみの足のクロースアップから始まり、一瞬どの場所かわからないままに映画はスタート。予備知識無しで見たためどこかの島かと思ったほど。次第に分かり始める鎌倉の四季の風景の描き方も見事。心のなかに抱え込んで不器用にもギクシャクした感情のもつれと揺らぎ。辛抱強くすずの心が開いていくのを待っていた姉妹との海岸でのラストシーンも素敵でした。
是枝監督といえば
ペ・ドゥナ目当てで観た「空気人間」は何度も見ましたが、この「海街diary」もこれから繰り返し見続けていきたい映画のひとつです。
コメント
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