今の音楽はカテゴリーやジャンル分けされカタログ化されているようですが(売る方の都合)
ラジオやTV、そしてロック喫茶とかで流れていたのはもっと混沌としていて、シーンが固まる前の息使いや熱気も合わせて楽しんでいたような気がします。日本独自のタイトルをつけたり、箱入りのベスト盤を作ったり洋楽ディレクター達の涙ぐましい努力も。それとは関係なく、高校に入ってアルバイトが出来るようになりLPを買ったり輸入盤を船便で手配も始めてました。
ここで紹介されているのは1966-1978年迄の日本制作のアルバムを年代ごとにまとめ、歌謡曲、ロック、フォーク、ポップスなどを紹介。気になるところをピックアップした後、時系列に読んでいくと、好きだった音楽が同時に他の音楽と並列にリリースされていたことに改めて気が付きます。
■HAPPY END 1973
もはやグループの体を成していなかったラストアルバム。数奇な運命で、フィル・スペクター〜ブライアン・ウィルソンがレコーディングしたスタジオでの録音。そしてバッファローのラストレコーディングもここ。鈴木茂の曲がとても好き。そして、ヴァン・ダイク・パークス参加のラスト曲を聴いていると、仙台ピーターパンの店の様子や匂いも思い出します。
■MISSLIM 1974
もうぼろぼろになるまで聽いてもう一枚買ったしまったのがこのアルバム。朝起きて寝るときもずっと側に置いてました。大ブレイクした3rdの前の2ndにはそこはかとない寂寥感もあって色彩豊かな世界は、上京したばかりの自分には眩しかった。コピーバンドをサークル内で作ったけどメンバーの色恋沙汰で半年で空中分裂も。オレンジハウスのマグカップになみなみと注がれたドリップコーヒーを勧めながら、このアルバムを教えてくれた元新聞部のA君は今何をしているんだようか?
■BAND WAGON 1975
リトリ・フィート、タワー・オブ・パワー、サンタナ、スライ…そうそうたるメンバーに謙遜のない鈴木茂のギターと松本隆の詩。「砂の女」「100ワットの恋人」の瑞々しさは今でも変わらず。どんな風に弾いているのか研究していました。余談ですが、初めて連れて行ってもらった美容院でジャケットと同じヘヤースタイルにしてくれと頼んでみたりもしました。
■SONGS 1975
とにかく「DOWN TOWN」のイントロやソロギター、伸びのある達郎さんの若々しい声。アイズレーのリズと知るのはずいぶん後だったけど、いまでもときめいてしまいます。シングルのジャケットを柱に貼り付けて、聴いた回数をカウントしていたけど150回を超えてから止めることに。アパートの隣の奴(確か岩手県出身)が薄い壁ごしに何度も聴かされて覚えてしまったと、魚を焼きながら話してくれた事を急に思いました。そのウエダ君、元気なのかなぁ?
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