6:52
日の出を追いかけながら誰もいない県道
3.11からそのまま。家の土台だけがさらけ出されている道を思いつめたように進むと、ああ、なんと真っ赤な太陽がなにごともなかったようにゆっくりと昇っていくのが見え、いても立ってもいられず、Alfa156を路上に停めて菖蒲田浜に駆け出す。海面から顔をのぞかせたと思うとあとは一気に昇るのを見つめていると、カメラを向けることすらも忘れてしまいました。圧倒的でしかも神々しい光をいっぱいに浴び心も体も何か違うものに生まれ変わるような想いに包まれるような気がして立ちすくんでいました。
小豆浜に一人佇む少女に映る光の幻影
じっと見つめる姿に問いかけることも出来ず見つめていると目と目が合って、話しかけようと思いましたが、突然走り去って。残された私は、キラキラと光る波の鼓動を見つめながら、つい数分前に目にした、ねじ曲がったまま置き去りにされているクルマの姿を思い出して、なんとも言えず。それでも寄せては返す波の二度と目にすることない出来事をじっと見つめるばかりでした。
届くべきことが届かない冷ややかな現実とぬくもりの日常は裏返しなのだろうか、と。戻るに戻れなく誰もいなくなった早朝の小豆浜に一人、飽きることなく何時間も佇んでいました。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。