最近の達郎は節回しがこねり過ぎだなぁ…
とか思っていて静観していましたが、初回限定に付属のリマスターされた『Joy 1.5』に「砂の女」が入っていることが分かりポチッと。熱心なヤマタツファンに怒られそうな動機。でも、今では誰も信じないでしょうけど、肩まで髪を伸ばして髭を生やしていた頃(そそそんなこともあったんだぁ)真剣に(ぼんやりとかなぁ)オンガクデセイカツデキルカモシレナイと思っていました。でも、日比谷野音で達郎の姿、テレキャスターと共に夕刻に登場した姿を見て、ああ自分はこれほどまでにはなれないと思ったことを昨日のことのように思い出します。
「夢は必ずかなう」という言葉が一人歩きしている時代ですが、僕は「夢はかなわない確率のほうがずっと高い」と思う人間です。ですから、懸命に努力し、その結果夢がかなわなかった時にはどうするか、それも想定して仕事をするべきではないか。「夢」は魅力的で力があるけれども、あくまで結果であって、夢を最初に暴走させてはいけないのです。
…大切なのは音楽の作り手として何が重要か、自分はこれでいいのかという自問でしょうね。勢いと熱だけでは続かないのが仕事です。夢を抱きながらも、冷静さも併せ持って欲しいと思います
朝日新聞に「仕事力」というタイトルで連載が掲載されていて(全4話)その中の引用ですが、通俗なスターになるよりも仕事=職人=アルチザンを目指す辛辣な姿。多くのベクトルに身を預けるよりも、より深く内面に向かう姿。心を打ちます。アルバムの内容は、専用サイトに、制作ノート・曲解説〜インタビューに詳しくありますので、是非併せてどうぞ。思ったよりも打ち込み100%ではなく、生演奏の比率が多くて、グルーブ感も鮮やかです。ライブ音源『Joy 1.5』は瑞々しくて「砂の女」もワイルド、「素敵な午後に」のイントロギターだけでもノックダウンです。「Only With You」にはどことなく「Surf's Up」的なリフがあったりして、ちょっとにんまり。
大人がこしらえて、大人のための音楽って、どこまで心が澄んでいるんだろう
フレーズのひとつひとつに耳を澄ましてます。
インタビューで「人生のアルバム」と。
私自身の6年間も投影しているような気がしてなりません。
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