舞の海の人情相撲発言で思い出したのは落語「佐野山」
江戸時代(寛政の頃)に、十両の筆頭に佐野山という大の親孝行が評判で、小兵ながら人気があったお相撲さんがいた。ところが、母親の大病。そのための、看病疲れ、医者代、薬代に追われ、食べるものも食べず土俵に上がるものだから初日から九連敗。これで引退という噂も立つほど追い詰められていた。この話を聞いた横綱谷風は千秋楽に佐野山と対戦を申し入れる。驚いたのは回りの連中。佐野山と谷風に怨念でもあったのかとかで憶測が憶測を呼び、もし佐野山が勝ったら祝儀をはずもうと盛り上がってくる。
結果、巧妙に仕掛けた八百長相撲で佐野山が勝ち、たくさんの祝儀をもらって親子ともども幸せに暮らした。馬生の全集にひっそりと入っていた噺。前にも書きましたが、まくらが抱腹絶倒。なんども同じところで吹き出してしまいます。そして、谷風が土俵に上がっただけでフラフラの佐野山を観客に悟られないようにうまい具合に誘導して、土俵際でさらに細工。まるで、モンタージュを駆使した映画を観ているかのような臨場感とおかしさ。馬生の語り口のうまさが特に光る場面。ハラハラしたり呆れたり吹き出したり。いい噺を聞いた後の独特の爽快さも味わうことができます。
日本相撲協会が全51部屋に1台ずつ、米アップル社の「iPad」を配布する。相次ぐ不祥事で一部の親方から「理事会などの内容が、新聞を見ないと分からない」などの不満が噴出したことを受けて導入。「情報を共有するために開示する」という放駒理事長(元大関魁傑)らの希望もあって、本体価格48,800円以上の最新機器を60台も購入し、相撲界の課題とされる内部の正確で早い情報伝達を実現する。(2010.8.24)
昨年のニュースにちょっと驚きましたが、ちゃんとUPDしているかなぁ、お相撲さん。舞の海の発言、人によっては目くじらを立てるようですが、お相撲ってもともとそんなに立派なものではなく、落語「佐野山」のような世界だったのではないかと思いますネ。組織的八百長は許されるべき問題ではないけど、早くもっと楽な立場にお相撲さんをしてあげてもいいような気がする。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。