よござんしたね
ママボリンケンと二人で生落語デビューしました。
Masaから生で見る落語の良さをたっぷりと聞かされていましたが、どうも腰が重く今まで足が向きませんでした。ところが、この組み合わせでしかも地元なら...というわけで新聞に折り込まれたパンフを頼りにホテルへ予約。ママボリンケンは、帰国した翌日に落語という、EUとの距離や時間を超えた振幅にクラクラ。
いや〜、素晴らしくて泪が出そうでした
まずは軽くフレンチをベースにした食事。ワインを何杯かおかわりをしていい気持ち。予定よりも遅れて二人会は始まりました。二人が並んで会場を和ませていきます。花緑が入籍した話や談春のTDLでの話、地元ネタを巧みに織り交ぜた流れ。会場のお客さん(結構年齢層は高く裕福そう)を探っているようです。
まずは、花緑。まくらは小学生に落語を披露した話から、どんな噺がいいか探りを入れていきます。ちょっと、間があきそうでハラハラしましたが、始まったのが「初天神」。小生意気な金坊と親父の話。やたらモノを欲しがる子供と父親のやりとり。金坊というのは落語に出てくる子供の定番で、小賢しくて妙に大人ぶっていて手に負えない子供。もしかして佐平次の子供時代は金坊だったのではないかと。花緑の金坊も、大人を手玉にとる子供をうまく演じていましたが、親父が団子にたっぷりとまぶされた蜜を舐めてしまうところ、泪が出るほど笑いました。
そして、談春
「赤めだか」出版の話から、そこに書けなかった談志との裏話。まくらからふっと「紙入れ」に入る瞬間に会場の空気感をも変えてしまう、その間合い。その僅かな数秒。ああ、これなんだなぁ、ああ、ここなんだなぁ...と。それまでリラックスして、そんなことないだろぉ、と導かれるままにしていた心と体を一瞬にして江戸や明治の初頭に引き込んでいく。生落語の醍醐味を知り震えました。花緑になくて談春にあるのはここなんだなぁ、と感心している内に、間男している男と女の姿が鮮明に見えてきました。若い男を引き込む女、旦那の奧さんとそんな関係になることの後ろめたさを酒で誤魔化す男。その秘め事を「よく聞けば猫が水飲む音でなし」と意味深な言葉でかわした矢先に、帰ってこないはずの旦那が帰ってきて慌てて帰る道端の独り言に場面展開する、その切り返しの鮮やかさ。翌朝、旦那と間男のかみ合うようでかみ合わない会話。
終わった後、深々と頭を下げる談春。
帰り道、霧雨が降る中での幸福感。
幸せな余韻に二人で浸っていました。
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