"TU ME VUELVES LOCO"がヒット中の今度の新作も、ちょっとかすれながらものどごしに甘いフランキー・ルイス節が堪能出来て、ファンにはたまりません。2曲目のそのタイトルもズバリの"PUERTO RICO"は、いささか乱暴なヒヤリングでは、プエルトリコという美しくも素晴らしい島を愛し、死ぬまでここにいたい、といった様にプエルトリコ賛歌です。♪プエルトリコ〜という歌い出し、随所に挿入されるクワトロの響きやヒバロのリズム。ゆるいながらも程よく緊張のあり、しかも変に情緒に流されない確かさも感じられます。MP〜NRTの突き抜ける様にバイラなサウンドと比べて、フランキー・ルイスのサウンドは不思議とゆったりとして余裕すら覚えます。R&Bでいえばスモーキー・ロビンソンに通じるフランキー・ルイスの唄がそうさせるのかもしれません。他にも「夜明けに驚いて」なんてタイトルの曲もあり、歌詞が分からないのが悔しい位ベタ惚れの1枚です。「アーイッー!」
フランキー・ルイスはニュージャージー州バタースンに58年3月10日に生まれ、10才に両親とプエルトリコへ移っています。音楽活動はトリオの歌手から始まったらしいが、オルケストラ・ラ・ソリューションに加わってからがおそらくレコードデビューと思われます。ラ・ソリューションはプエルトリコのマジャグェス出身のバンドでベースのロベルト・リベーラがリーダー。70年代後半にデビューしていますが、同じ出身のモン・リベーラと同様トロガンガサウンドです。LAD移籍のこのアルバム、アレンジにサントス・コロン、マキシモ・トレスを迎えて、フランキー・ルイスがさわやかな歌を聴かせてくれます。大ヒットしたのもうなずけます。
その後、トミー・オリベンシアのバンドに引き抜かれます。かなり強力なバックにも負けない歌をきかせてくれます。それにしても、プエルトリコの歌手のほとんどはこのバンドで歌っていますね。THレーベルの企画アルバムにも、トミー・オリベンシアのバンドで歌っています。満を期してのソロデビューは85年でした。デビューアルバムを聴いた当時、これからは歌手の時代になるなぁと思ったものでした。1、2枚目はソロになれた喜びを、さわやかながらもどこかプエルトリコらしいかげりのある歌で表わしているようで、その姿今でも美しいです。丁度2枚目が出た頃のその姿は、THのオムニバスVTRに入っていす。"QUIERO LLENARTE"を軽くステップを決めて歌っています。
フランキー・ルイスはデビューからほとんどリアルタイムで追っかけしている数少ない歌手で、特に思い入れがありますので、切に来日を願っています。
ORQUESTRA LA NUEVA (CL) 1971
ORQUESTRA LA SOLUCION (PERFORMANCE 143) 1979
ORQUESTRA LA SOLUCION (LAD 342) 1980
UN TRIANGULO DE TRIUNFO! / TOMMY OLIVENCIA Y SU ORQUESTA (TH 2171) 1981
CELEBRANDO OTRO ANIVERSARIO TOMMY OLIVENCIA Y SU ORQUESTA (TH) 1982
LA FAMILIA TH EN CONCIERTO 81 (TH 2154) 1981
LA FAMILIA TH EN CONCIERTO (TH 2244) 1983
SOLISTA PERO NO SOLO / FRANKIE LUIZ (TH 2368) 1985
VOY PA' ENCIMA / FRANKIE LUIZ (TH-RODVEN 2453) 1987
EN VIVO Y A TODO COLOR..! / FRANKIE LUIZ (TH-RODVEN 2531) 1988
¡MAS GRANDE QUE NUNCA! / FRANKIE LUIZ (TH-RODVEN 2664) 1989
MI LIBERTAD / FRANKIE LUIZ (TH-RODVEN 2946) 1992
PUERTO RICO SOY TUYO / FRANKIE LUIZ (RODVEN 3045) 1993
MIRANDOTE / FRANKIE RUIZ (RODVEN 863673154-2) 1994
TRANQUILO / FRANKIE RUIZ (RODVEN 314527648-2) 1996
NACIMIENTO Y RECUERDOS (RODVEN 314559765-2) 1998
FRANKIE RUIZ LA LEGEND OF A SONERO (UNIVERSAL 314 547 038-2) 1999
BAILABLES DEL ANO (TH-RODVEN VTR) 1987
FRANKIE RUIZ(QUIERO LLENARTE)
EDDIE SANTIAGO(QUE LOCURA ENAMORARME DE TI)
OSCAR D'LEON(JUNTOS PA'GOZAR)
MARVIN SANTIAGO(TA'BUENO MAYORA)
MAGDA LAKE(ULE)
ALEX LEON Y SU ORQ.(EL AMOR)
仕事中クルマに中でかけていたFMでフランキー・ルイス(1958/3/10-1998/8/9)の死を知ってかなり動揺したことを今でも思い出します。サルサという機能がプエルトリカンにとっても私にとっても機能しなくなってからもう数年経ってしまいましたが、フランキー・ルイスの歌声を聴くとどんな状況でも胸が躍り切なくもためらいがちな想いにかられます。サルサが最も(ムーブメントとしても)盛り上がった頃、最後にフランキー・ルイスはソロデビューし一時代を作りました。プエルトリコを体現していた姿は余りにも美しく心に残る歌手です。今となってはオリジナルアルバムを探すのは困難ですが、選曲もいいし丁寧なライナーやかっこいい写真満載のベスト盤(二枚組)がありますので、是非手にして欲しいと思います。今やインターネットの時代となり、Niftyに書き込みしていた時とは想像も出来ないことがYouTube。フランキー・ルイスもライブ映像が楽しめます。ライブをとうとう見ることが出来なかった一人ですので、とても嬉しいですネ。そういえば、ラティーナの今月号にイノウエさんが書かれているサルサ〜レゲトンの現状の話、とても参考になっています。今度、じっくりこの辺の話をしたいものです(^_^)
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