まつやに行くと今度は違ったもの
例えばカレーそばとか頼んでみたいね
…とか考えているんですが、それは月に何度か来れるのならいいかもしれないけど、年に数回ならば、やっぱりいつもの流れ。わさびいもでビール。熱燗を二本頼んで焼き鳥(塩で)。とったりやったりしながらもう一本頼んで、親子煮。土曜の昼下がりひっきりなしにお客さんが出入り。何年も変わらないお姉さんたちの姿。もう、通いつめて30年。蕎麦屋というと純文学的で堅苦しいとこありますが、まつやには独特の親しみやすさがあって、それは村上春樹風に表現すると《重ねられたふたつのスプーンのようにぴたりと(スプートニクの恋人)》した感じ。
で、やっぱり鴨南蛮の大盛りと天もりせいろ二枚
鴨肉が三枚、とっときの肉団子、短冊に切ったネギ。ずるっと汁をすすりため息。蕎麦を一口、鴨肉を頬張り、ため息。蕎麦をすすり、ネギをひとつまみ、汁をもう一口。やっと落ち着いて、ママボリンケンの熱々の天もりの海老天を一口。当たり前のように香り高い熱々の海老天が出てくるとこが、実はまつやを気に入っている所以でもあるんです。
おいしそうですね…
と、相席の上品なご夫婦に声をかけられました。そりゃ〜、おいしいのなんのって、鴨肉がね…。なんてことから、話が弾んで川下りをしたお話や、東京の東西の文化の違い、3.11以後の日本の姿、無粋な首都高速、グルグルと渦を巻く河口、と話が尽きません。何故かまつやに来るとこうして見知らぬ方々と色々とお話をすることがあって、ああ、この場所も水と水とが出会うところなのだなぁ、と淡く心静かなほろ酔いの昼下がり。
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