やはりきっかけは2004年のブライアンの動向
1967年の音楽環境(レコード会社も含めて)は今と比べて制約が多く、音楽を生み出す前にそれらからいかに自由になれることができるかも、ミュージシャンの力量になっていたように思えます。数多くの優れたミュージシャン、マイルスしかり、ビートルズしかり、JBしかり...。ブライアン・ウィルソンもその一人でしたが、『SMiLE』の放棄は本人にとっても苦渋の選択。私自身も、時が経つ頃にその幻の世界がとても気になり、関連の本を取寄せたり、とんでもない量の海賊版を入手したりもしてきました。
今回の『The SMilE Session...』は、未完の大作を再構築していると思いますが
2004年のブライアン自身の『SMiLE』を踏襲した内容になっています
ブライアンとしては、そのアルバムでひとつの区切りを付けたのでしょうが、まわりが放っておかなく、今回のセッション音源の公開となったのでしょう。まるで、スタジオにいるかのような錯覚を覚える音源の数々にただもう圧倒され続けています。海賊盤や断片的なリリースで聴き慣れた音も、こうしてボックスの中に入ると、初めて聴いたような、もちろん初音源もあるので、ますます興味深くもあり、そして、更に広がる謎が広がります。当分、この音源にかかりきりになってその謎を追いかけてます。
音源も圧倒的ですが、パッケージもただもう圧倒的です
内容は、前に紹介したこちらを見ていただくとして、いざ現物を手にした時に感じたどっしりとした重さや「Three-dimensional shadow box lid featuring the original artwork of Frank Holmes」とスッペクされた箱なんです。長い間幻だったあのジャケットワークが立体的に処理され、窓の向こうの奥行きも再現されてます。これを初めて見たときには数分間まじまじと見てしため息。四半世紀封印されようやく発表された内容にふさわしいパッケージに身も心も震えてしまいました。
ベトナム戦争を経て価値観が劇的に変化する世の中に、人間として、根源的な世界観を伝えようとしたブライアンとヴァン・ダイク・パークス。それをコーティングしたようなジャケットのコンセプト。9.11、3.11を経た私たちにも強烈に訴えてきます。
ドン!
投稿情報: ガンボ | 2011/11/21 01:14