春になると聴きたくなる噺、『百年目』。本題は良くできた旦那が番頭さんへ実にいいことを言い含める。でも、『大工調べ』の真夏の長屋の情景を丹念に描写しているのと同様、『百年目』では出掛けに大店の丁稚を細かく叱りつける番頭の姿がとても印象的です。志ん朝さんのマクラも合わせてとてもためになります。
今、図書館から借りて読んでいる本が『丁稚のすすめ』。秋山利輝さんという秋山木工代表で家具職人の書いた本。この本を知ったのは、休日にぼんやりとTVを見ていると、ここの特集をやっていて興味を惹かれました。入社四年は丁稚奉公、その後四年はお礼奉公、その後独立。まるで、落語の世界だったからです。丁稚奉公時は、携帯も恋愛も御法度、入社と同時に男女にかかわらず坊主頭。アメリカナイズされた自己啓発モノの本なんかに比べてタメになることばかり紹介されています。その中で、気になったのが以下の『職人心得28箇条』を紹介しておきます。何故かママボリンケンの実家のトイレに掲示してある「親父の小言」を思い出しますが、言い得て妙なことばかりです。そういえば、営業マンとしては抜群の感性をもっていた亡き父が言っていた「トイレの汚い会社はダメだ」、を思い出しました。
職人心得28箇条
1.挨拶のできる人
2.連絡・報告・相談のできる人
3.明るい人
4.まわりをイライラさせない人
5.人の言うことを正確に聞ける人
6.愛想よくできる人
7.責任を持てる人
8.返事をきっちりできる人
9.思いやりがある人
10.時間を気にできる人
11.道具の整備ができる人
12.お掃除、片付けの上手な人
13.今の自分の立場が明確な人
14.前向きに事を考えられる人
15.感謝のできる人
16.身だしなみのできる人
17.お手伝いのできる人
18.自己紹介のできる人
19.自慢のできる人
20.意見が言える人
21.お手紙をこまめに出せる人
22.トイレ掃除ができる人
23.道具を上手に使える人
24.電話を上手にかけることができる人
25.食べるのが早い人
26.お金を大事に使える人
27.そろばんのできる人
28.レポートが分かりやすい人
志ん朝さんの噺の中の「お職人」って響き、いいなぁ...。
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