女優魂 中原早苗
−この年(1957)中原康監督の作品が二本あります。『街燈』『誘惑』。『街燈』は月丘夢路さんが経営する洋品店を舞台に様々な色模様が描かれます。中原さんは金持ちのドライな現代娘。これが実にキュートでかわいらしい。そして洒落たドレスで、小さなかわいいクルマに乗って現れ、映画をさらいますね。月丘さんと南田さんの職業で、装飾デザイナーという設定もあって女優陣の衣装が洒落ていますね。
中原:私の担当は、森英恵さん。もっともこの頃の日活(1957)の女優はほとんど森英恵さんがやっていた。劇中のファッションショーも森英恵さん。
小林旭、浅丘ルリ子が年に10本以上の映画に出ていた時代、それをプログラムピクチャーと呼べる時代。映画の衣装を森先生が手掛けていたことを『女優魂 中原早苗』で改めて知りました。田岡広が実によく調べてインタビューしたこの本は日活映画の歴史を検証する意味でも貴重な資料です。
イーデス・ヘッド
ヒチコックの『裏窓』はグレース・ケリーをいかに美しく描く映画。素敵なドレスに包まれたグレース・ケリーが、心の移りかわり応じて衣装も変化する。最後は、ジェームズ・スチュワートに合わせながらも、アウトドア雑誌からファッション雑誌へ。イーデス・ヘッドの衣装がため息が出るほど素敵です。森先生の衣装も何かの形で(資料としても)残して欲しいと思います。
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