師匠は必ず扇子は二本、手拭いは三本用意させたの。扇子は「すす竹」と少し黄色がかったやつ。で、「すす竹」は「柳田格之進」や「抜け雀」みたいな、聴かせたい噺の時で...
というのを『よってたかって古今亭志ん朝』で読んだものだから、いてもたってもいられず(色々調べて)浅草の専門店文扇堂へ行ってきました。ご主人に旨を伝えるとすっと出してくれました。
一旦店を出たんですが、もう一度入り、今度はどこか近くに手拭い専門店がないかどうか尋ねて、教えてもらった染の安坊へ。これまた、目移りするようなのばかり。親切な店員さんに色々説明いただき、(写真下から)有平縞、よろけ縞、二の字を求めました。これでもだいぶ迷いましたよ、ホント。線にフラがあって、よろけ縞。実にイイ。というワケで、高座扇と気の利いた手拭いが、すっかりその気にさせてしまいました。いやはや、達引きの強い男伊達のいい様子になるでしょうか...。
数年振りに訪れた浅草。勿論、観光客で溢れかえっていましたが、混雑している仲店通りを避けて横町へ入り込むと、意外と静かでした。染の安坊さんで教えてもらった植木市も行けずじまいで、今日は、あまり時間もなく目的だけ済ませて帰ってきましたが、今度じっくり探索してみたいものです。
浅草といえば、亡くなった親父が好きな場所でした。元は東京の人だったので、東京出張の時は浅草へ泊まっていたし、学生時代に泊まっているところへ尋ねていくと、ステテコに腹巻きという姿で、やけにくつろいでいたのを思い出します。
そして、所用のある銀座~有楽町へ。何時間も立ちっぱなし、歩きづめだったのでエスプレッソのダブルで休憩。ライ・クーダーの新譜、やけに気になるなぁ...と、独り言。帰るとママボリンケンが「好きなコトして、気ままにぶらぶらして楽しかったでしょ」と。たまには、いいじゃない、一人でぶらぶらと、行き当たりばったり。今度、一緒に鰻でも食べに行こうネ、っと。
○文扇堂:東京都台東区浅草1-30-1 03-3841-0088
○染の安坊:東京都台東区浅草1-21-12 03-5806-4446
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