あの、チータから2年。かつての様にファニア・オール・スターが一丸となっているのではなく、歌手のお披露目的な内容は、イスマエル・ミランダやエクトール・ラボー等がそれぞれ独立したして、そろそろ歌手中心になっていく時代のせいでしょうか。在NYのラテン・ピープル向けのファニアが全ラテン的、もしくはそれ以上の世界に向けてアピールしていった時期の為か、この映画はライブの模様に挿入されるシーンは、これまでラテン・アメリカ社会が世の中(特にアメリカ)では、どの様に扱われていたかを辿っています。
それはともかく、ペジン・ロドリゲスが抜けた代わりに参加した若きチャーリー・アポンテを含むエル・グラン・コンボの"JULIA"。もちろん、リードはアンディー・モンターニェス!コミカルな振りに例の振り、いやーもうたまりません。この頃からもうあれだったんですね。うれしくなって、うれし涙です。
FASとの初めての共演はセリア・クルース。流石のオールスターの面々の顔つきも真剣そのものです。曲は、先月の来日でも唄っていた"BEMBA COLORA"。ホルヘ・サンタナ(弟の方)のソロギターをフィーチャーしたチェオ・フェリシアーノの"EL RATON"。ギターソロは兄に負けずワンパターンですが、黒いノドを聞かせるチェオがすごく良いです。ラリー・ハーロウのソロも粋な、イスマエル・キンターナはちょっと泣きを入れた唄にしびれます("MI DEBILIDAD")。そして、聴衆と一体感となるエクトール・ラボーの"MI GENTE"。元気な姿が異常に美しい。エクトール・ラボーの本質は後期のエレガントであやういところではなく、この辺にあるのではないかと思ってしまいますが。
映画のラストは、"CONGA BONBO"で余りにも興奮してしまい、パニックになってその曲を中断してしまうところで終ります。ラテン以外の人にもサルサの事を分かって欲しいという内容がひしひしと伝わる映画です。(時間 1:17)(中断した為に、同年11月にプエルトリコのロベルト・クレメンテ劇場で再収録していますが、その劇場は2年後に、プエルトリコ・オールスターズの旗揚げライブが行われたと聞き、歴史の深さを今もって知る事となりました)
FASはその後、プロモーションの為世界中を回る様になり、74年にはアフリカのザイールでコンサートをしています。(モハメド・アリに同行したという噂もある)その様子のビデオです。ルベーン・ブラデスが入国手続きのところでちらっと写ります。今は確かオランダに住んでいるらしいニッキー・マーレロのティンバレスがひかっています。移動の飛行機の中や楽屋でで、じっとしていられなくなり思わずリズムをとってしまうメンバー。遠い故郷のアフリカに来て感無量の姿。元ダンサーのロベルト・ロエーナーの超人的ステップ。がしかし、そろそろ、ムーブメントとしてのFASの役目もそろそろ終りに近づいて来ている様な気がしてくる。 (時間 39分、ちょっと短い)
SALSA - THE FANIA ALL-STARTS (MPIV-481) 1993 VTR
LIVE AT THE YANKEE STADIUM Vol.1 - FANIA ALL STARS (FANIA 476) 1975
LIVE AT THE YANKEE STADIUM Vol.2 - FANIA ALL STARS (FANIA 477) 1975
FANIA ALL-STARS - LIVE" IN AFRICA (MPIV-15) 1993 VTR
93/11/13 NiftyのフォーラムへUPした文章です。
ここで、『LIVE AT THE CHEETAH = Our Latin Thing』がDVD化したとUPしましたが、とうとう、『Our Latin Thing』『Salsa』『Live In Africa』『Live In Puerto Rico 94』がDVD 4枚組でリリースされました。そのタイトルが『Complete Fania All Stars Movie Collection Digi』まだ入手していないので内容確認できませんが、秘蔵映像、豪華ブックレット付です。VTRを買い直そうか、VTR→DVDコピーし保存版にしようか迷っていたんですが(機材もないくせに)、これでまとめることができます。
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