おいしいものを食べて幸せな午後
7ヶ月間の勤務地が調布から本社へ戻った後に知った調布の鰻屋「鈴木」。何度か、予約の電話を入れたりもしましたが予約が取れませんでした。大阪から出張で来る人がいるので、連絡をしましたらなんとか予約が取れました。関西と関東では料理方法も違うのでぴったりのセッティングと思いましたが、まずは私が食べたかったのに付き合ってもらったのが本音。
お店の中は、ちょっとしたレストラン風。テーブルが二組、L型のカウンタは10人程度。私達はカウンタの角に座りました。ブルース・スプリングスティーンのCDが心地よい音量で流れる中(ご主人の選曲らしい)黙々と鰻を捌く姿。鰻を桶から取り出し、頭をトンと突き固定。大振りの包丁で捌くと、骨が包丁に当たりシャキシャキと音がします。これが心地よいです。後ろでは、大きな蒸篭の四層が湯気を立てています。目の前でこれから食する鰻を捌き、蒸す、たれを付けて両面を焼く。シンプルに調理された鰻を、お椀に乗せ串をススッと抜く。全て暖かいうちにおいしく食べてもらおうという配慮でしょうか。
「鰻の幇間」ではないですが、舌の上に乗せるととろっと溶けてしまいそうな鰻を一口食べただけで十二分に幸せな心持になってしまいました。食べてしまうのが惜しい、そんな時間を大切に過ごしていたい。このような経験はしょっちゅう味わえないので感動してしまいました。どこにも無駄もなく、ひとつの目的に向かって進んでいる。うまく表現できないのがもどかしいくらいです。
鰻が出てくるまではこうこでつなぐ...なんて事を考えてコップ一杯のビールを注文。程よく冷えて旨いなぁ(仕事中でしたが)とさらに上機嫌になりましたが、突き出しに出てきた鮪がこれまたおいしく、鮪の香りを堪能しました。メニューの下には、写真撮影お断りの但し書きがありましたが、なんとかお願いして撮影させていただきました。白焼きはご飯の上に山盛りのねぎをのせてたれをかけるタイプです。旨そうなのでそちらはどうですかと問い合わせると、初めてでしたら是非鰻重を食べてください、と。なんでも、ねぎをのせたりしている内にやや冷めてしまうからだそうです。12:30にお店に入って14:00過ぎに出ましたが、言葉少ながにさりげなくこちらを気にしている佇まいも、とても自然で素敵な時間。調布は、月に何回かは行くので、時間調整をして是非もう一度(いや何度でも)行きたいですが、何度も訪れるのも惜しい気もします。ママボリンケンにも是非食べてもらいたい鰻です。
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