幼い頃には外食も限られた機会しかなかった
今のように外食産業もなく、まして大人が食べるものを子供も食べるなんてこともなかったような気がします。だから余計に外に食事しようと決められた日は朝からソワソワ。まぁ、子供だったんですからね、当時は。一ノ関のおじいちゃんの家に行く途中の古川の天ぷら屋、不二家のラザニア、鰻屋、おそば屋さん…、中でも一番町の(今は移転した丸善の裏)祥発順は格別の思いがありました。
ここで、中華料理を初めて知っただけではなく、色々な機会に訪れる楽しみを知りました。そこには、家族四人が必ず揃っていて、ひとつのお皿をくるくると回しながらみんなで食する。何を話していたかもう忘れてしまいましたが、時間や空間を共にする喜びがありました。残念ながら、ぽつりぽつりと一緒に行く家族が少なくなっていきましたが、決まって注文するのが白切鶏。
小薇の自宅に招待され、久し振りに白地鶏をいただきました
祥発順では辛子を少し付けて食べるのですが、小薇のは広東の葱塩ソース、上海の生姜醤油ソース。それぞれのソースが白地鶏の深みのある味を引き立たせていて素晴らしいの一言。本によると混ぜてもいいというので、ソースを混ぜてもさらに美味しいです。
そして、思いがけず特製のチャーシュー
食べる量だけ切り分けられてお皿に盛りつけもらい、甘辛くしかも独特の風味が広がり、何度もおかわり。キュウリのサラダ、芋頭餅、ニラ玉、上海焼きそば。うん、お腹も心も幸せな夜。大好きなニラ玉の秘伝の作り方もしっかり覚えました!
そうそう、小学二年生のはるかちゃんとも久日振りに再会。ちょっと大人っぽくなってますますかわいいさも。よく、大人の話を聞いているんですね。なにげなく使っている言葉の意味を訊かれたりして、こっちがドギマギしちゃいます。私が小学二年生だったころはどうだったんだろうか。何十年も記憶の中にある味に再会すると同時に、今を生きている小学生の姿にも出会う。追想ばかりではなく今を生きることの大事さ。色々なことを考えながら春めいた夜風を頬に感じながら帰りの坂道を登ってました。
※写真は(iPhoneではうまく撮れなかったので)小薇からの提供です。
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