仙台の味噌味
仙台の冬は乾燥した北風が舞い足の先から頭の天辺まで凍えてしまう。幼い頃、そんな日には決まって味噌ラーメンを食べに連れて行ってもらった。これが私の味噌ラーメンの原型。大人になってからは帰省するたびに通っていた今はなき麺屋誠和(仙台荒町)、そしてこいけ屋(仙台荒町)が一番の楽しみだった。味噌汁と言えば迷わず仙台味噌を使うのものだった。
仙台で仕込んできた独眼竜仙台味噌
名付けて仙台みっそ、見た目のビジュアルも素敵すぎ。一口すするとわずかな酸味が口内でふくよかな甘さに変わる驚き、たっぷりのネギの下には盛々の野菜、スープを吸って味わいが増した自家製麺。存在感がスゴイことになっている七輪で香ばしく焼いた分厚い牛たんのジューシー感。ときおり糸唐辛子をまぜ、後半ラー油をたらせば、んもぉ文句なしのおいしさだ。
仙台といえば味噌と牛タンというベタな組み合わせをこれほどまでに仕上げた力量にも感嘆してしまった。もう一回食べたいなぁとお話を聞くと「5kgしか仕込んでいないので、残りこれだななんですぅ〜」と。ううん、残念。おいしいものも一期一会なんだなぁとつくづく。でも、おいしさの記憶はいつまでも残っていると思わせる味噌ラーメンだった。
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