写真と言葉が静かに語る
祖国フランスから遠く離れ日本で暮らすリオネル・ベカ氏が写真と言葉で静かに語る、自身を触発するもの、ESqUISSEの料理が誕生する過程を集めたコレクション。
第1章 時間
第2章 土地、内海への旅
第3章 人
第4章 芸術、美
第5章 3つのテロワール
個人的な話、生まれた場所を離れて東京〜広島〜東京〜浦安と住み移り、得たもの失ったものたち、出会った人、別れた人のことを、今になって振り返ることが多い。時には残酷な写真(自身が撮影)と添えられた文章が静かに並走し、それぞれのテーマを表現した料理に行き着く素晴らしい構成。
フランスと日本のテロワール。そしてそこから生まれるテロワールを考えていたらタルコフスキーの「ノスタルジア」を思い浮かべた。何度も行ったり来たりしながら数ヶ月かけて読む楽しみを得たのは、言葉を選ぶように綴られた文章を思慮深く読みやすい日本語に翻訳した勅使河原加奈子さんの貢献もとても大きいと思う。
15年ぐらい前に「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」には行ったことがあるが、銀座のエスキスはもちろん未体験。いつかは行ってみたいと願いながら、再び気になるページをめくっている。
■ESqUISSE
https://www.esquissetokyo.com
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。