ジョージの望んだ世界はこれだったんだ
生前アルバムのミキシングのやり直しを望んでいたジョージ。確かに曲によってはフィル・スペクターの過剰すぎるエコーで全体を掴みにくい部分を感じていた。アルバム全体にも独特の浮遊感が漂っていた。ダニーとポール・ヒックスが全体をミキシングし直した50周年盤。アルバム自体は『Pet Sounds』と同じくらい聴き込んでいるが、二度通しで聞いたあと、それでも気になる曲は2014年盤と聴き比べをしてみた。
実質的にライブ録音
その生々しさがダイレクトに伝わるミキシングがとてもいい。曲によっては定位も変わり、見えてこなかった音が聴こえてきたりと驚きと快感に包まれている。エコーの中に埋もれがちだったギターの音も鳴り続けている。スワンプ〜カントリー感覚にジョージ独特のポップ感がより鮮明になり、何度もときめいてしまった。
二日間でレコーディングされたデモの素晴らしさ
1970.5.26-27、リンゴとクラウス・フォアマン、30曲。デモとはいえ、歌詞も一部途中までとはいえ、これまで何十年も聴き続けていた曲の原石を目の前にして驚くばかり。ダビングなしの三人のライブ。生でもエレキでも的確なギタープレー、タイトなリズムをキープしながら絶妙のオカズも光るドラム(リンゴの上手さを実感)、静かにドライブするベース。ピュアで無垢な姿を想像するだけでも胸が熱くなる。
■Disc 3 (Day 1 Demos – Tuesday 26 May 1970)
All Things Must Pass (Take 1)
Behind That Locked Door (Take 2)
I Live For You (Take 1)
Apple Scruffs (Take 1)
What Is Life (Take 3)
Awaiting On You All (Take 1)
Isn’t It A Pity (Take 2)
I’d Have You Anytime (Take 1)
I Dig Love (Take 1)
Going Down To Golders Green (Take 1)
Dehra Dun (Take 2)
Om Hare Om (Gopala Krishna) (Take 1)
Ballad Of Sir Frankie Crisp (Let It Roll) (Take 2)
My Sweet Lord (Take 1)
Sour Milk Sea (Take 1)
■Disc 4 (Day 2 Demos – Wednesday 27 May 1970)
Run Of The Mill (Take 1)
Art Of Dying (Take 1)
Everybody/Nobody (Take 1)
Wah-Wah (Take 1)
Window Window (Take 1)
Beautiful Girl (Take 1)
Beware Of Darkness (Take 1)
Let It Down (Take 1)
Tell Me What Has Happened To You (Take 1)
Hear Me Lord (Take 1)
Nowhere To Go (Take 1)
Cosmic Empire (Take 1)
Mother Divine (Take 1)
I Don’t Want To Do It (Take 1)
If Not For You (Take 1)
All Things Must Pass Uber Deluxe Box Set
木箱、P.96スクラップブック、フライア・パークにあるオークの木を伐採して作った木製のしおり、妖精たち、LP、CD、Blu-ray...。なんと、$999.98。一度手にしてみたいけど流石に無理。せめて、スクラップブックあたりは別売にしても良かったかな。まぁ、これから何度も聴きながら色々と考えてみよう(´•_•`)
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