構図とモンタージュについて考えていた
裕福な家に次々とパラサイトし始める前半のコメディータッチな小気味よさ(よくネられている)、自分たち以上のパラサイトが突然現れる後半。カメラの上下と光の明暗で階級の位置関係を現すカメラワーク、匂いへの嫌悪感。久しぶりに見た韓国映画の強い視線に打たれてしまった。
ネタバレになるのでそれ以外を紹介。ジャージャー麺を食べる時、麺を箸でくるくる回してまとめる(パスタを食べるように)のが新鮮だった。気になったので知り合いの韓国人女性に訊いてみると、そういう食べ方あるそう。
中盤まで伏せられていた半地下の生活空間は、大嵐の夜、山の手の家から戻る時に、上から底まで永遠とカメラ移動することで判明。途端に半地下の部屋は水没、息苦しくなりそうに水が下から上へ。時間の追い方、俯瞰加減など緊迫した構成がとても素晴らしかった。
この上下関係は、奥さんが階段を登りながら咳き込む家政婦の姿を見つけるシーン、別のパラサイトを見つける地下室への長い階段、華やかなパーティーを二階から見つめる二人にも使われていて映画の視線を決定づけしている。ヒッチコックへの敬意も感じた。
俳優では、大ファンのソン・ガンボ(『JSA』『復讐者に憐れみを』『親切なクムジャさん』『大統領の理髪師』)、そしてなによりパク社長奥さん役のチョ・ヨジュンが良かった。無邪気で世間知らずのようで、富裕層は下層階級のことなど知らないで済む残酷な二面性をを見事に演じていた。ちょっと木村佳乃っぽいかな。
『ジョーカー』でロケ地ブロンクスの石坂にも上下の関係が生きていたことを思い出しもう一度観始めている。
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