もう4年前からオリンピック一色
オリンピックそのものは否定しないが、原発、災害地、不透明な予算など数多くの問題を隠蔽しオリンピックに突き進んでいることに疑問=むしろ反対を持っているのが私の身上。既に後進国に成り下がった国にこれほどまでにオリンピックが必要なのか、TVで盛立てていると余計に鼻白みうんざりしている。
イーストウッドの警告
1996年アトランタオリンピック直前、爆弾を発見し避難誘導し英雄視された警備員リチャード・ジュエルが、一変して犯人に仕立て上げられる。FBI、メディアからの攻撃に立ち向かう有能弁護士と本人。無名の一人がメディアを通じて冤罪に導かれる。スピード面では今ならSNSがメディアの代わりになっているのだろうし、身近に新聞やTVとは違ったメディアを持っている怖さも感じている。
静かな熱演
妥協を許さない弁護士(サム・ロックウェル=冒頭は嫌味なヤツだったけれども)、本人にそっくりなポール・ウォルター・ハウザー、静かな悲しみの母親(キャシー・ベイツ)、FBI(ジョン・ハム=目が泳いだり、声がいい)、枕営業でFBIから情報を引き出す女性記者(オリヴィア・ワイルド)。心の奥にある怒りややるせなさを引き出した弁護士と主人公のシーンが特に印象的。また、新聞社に乗り込んだ二人、弁護士の啖呵にも胸がすく(まるで志ん朝さんの「大工調べ」の棟梁の政五郎のよう)。それがあってこそ、FBI室~ラストの二人の静かな抱擁があったと思う。そして、エンドロールのほろ苦さ、やはり、イーストウッドの映画にはやるせないラストが待っていた。
■リチャード・ジュエル
http://wwws.warnerbros.co.jp/richard-jewelljp/index.html
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