第4期ニーチェ
90年代に入ると同時に、第4期ニーチェが始まる。人気絶頂のティト・ゴメスが脱退し、前年から参加しているハビエル・バスケスにロス ・アルファ8のチャーリー・カルドナが加わる。冷戦後、急速に多国籍化し変化していく世界のなかでサルサもより「一般的な」音を要求されるようになる。ニーチェもコロンビアらしさを保ちながら、よりポピュラリティを得られるような音に変えていく。まるで教会の聖歌隊から引き抜いてきたかのようなチャーリー・カルドナの声は倍々ゲームで増えていくニーチェの人気をさらに上乗せすることになる。
この年代最初のアルバム『Cielo de Tambores』には、ニューヨークですでに彼の時代 を作りつつあったセルヒオ・ジョージをキーボードとアレンジに迎えている。この年、セルヒオはデ・ラ・ルスをデビューさせ、プエルトリコではクト・ソトがジェリー・リベラのアルバムを準備している。サルサ・ロマンティカがつぎの局面を見せはじめ、ニューヨークから遠く離れたところがサルサの舞台になりつつあった。
翌91年リリースの『Llegando al 100%』はさらに象徴的だろう。多国籍化する企業に、あるいは、多国籍化する「部隊」(この年はもちろん湾岸戦争の年だ)に対抗 するように、このアルバムにはニューヨーク、プエルトリコ、コロンビ アのセッションミュージシャンが集合している。エディ・サンティアゴのディレクターとしてラテンアメリカを制したアンジェロ・トーレスに音楽監督をまかせながら、ニーチェはそのジャケットにあるように、ひとつになった地球を彼らの音楽で祝福している。
これ以降のサルサは、グローバル化する世界と歩調を合わせるように、グァテマラのサルサ、メキシコのサルサ、フランス、オランダ、そして日本へと、それまで、「非サルサな場所」とされていた各地へ拡がっていく。そしてまた、矛盾するようだが、それが生まれたところの「匂い」を消しても行くだろう。
ほとんどコロンビア国内にとどまることなくツアーに出ているニーチェが「コロンビアを忘れてしまった」とファンから批判されることが出だしたのもこの頃である。彼らは疚しさを解消しようとするかのように、アルバムの最後にしばしば故郷に捧げる歌を挿入している。そして それだけではなく、コロンビア国内から彼らを追ってサルサをはじめた 若いオーケストラをニーチェのレーベルのもとに積極的にサポートしている。こうしたオーケストラには、ラ・スプレマ・コルテ・オルケスタ、オルケスタ・パライソ、サンドゥンガ・オルケスタ、ポップ・ラテンなスターになったチャーリー・サーが在籍していたアルマ・デル・バリオなどがある。
●Cielo de Tambores 1990
1. Cielo de Tambores
2. Una Aventura
3. Se Pareció Tanto a Ti
4. Doña Pastora
5. Busca Por Dentro
6. Debiera Olvidarla
7. Sin Sentimientos
8. Cali Ají
●Llegando al 100% 1991
1. Hagamos lo Que Diga el Corazón
2. No Tuve a Quién Decirle Amor
3. El Zapato y lo Tonto
4. No Me Faltó Nada de Ti
5. Droga
6. Tiempo, Tiempo
7. Romeo y Julieta
8. Mi Pueblo Natal
●12 Años 1993
CD 1:
1. Las Flores También Se Mueren
2. Nuestro Sueño
3. Una Aventura
4. Rosa
5. La Negra No Quiere
6. Mi Hijo y Yo
7. Te Enseñaré a Olvidar
8. Ana Milé
CD 2:
1. México México
2. Miserable
3. Cómo Podré Disimular
4. Entrega
5. Tiempos de Ayer
6. Ese Día
7. Perder Para Amar
8. Listo Medellín
●Un Alto en el Camino 1993
1. Un Alto en el Camino
2. La Gallinita de los Huevos de Oro
3. Duele Más
4. Sin Palabras
5. Colombia Tierra de Todos
6. Ave de Paso
7. Las Tres Son Caribe
8. Somos Guerreros
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旧友Inoue Takeshiさんの雑誌Latinaへの投稿を了解をいただきUPしています
(続く)
おはようございます^^台風も去り!早朝から庭と畑を視察^^ほんの3分程度ですが「藪蚊の襲来」今の蚊はマックスパワー^^あっと言う間に3ヵ所程刺され…無茶苦茶「痒い」^^目が覚めましたよ!清涼感と解放感^^納得!
投稿情報: ピポ | 2018/08/24 06:35
この連載を思い出すきっかけはチャーリー・カルドナが唄う「Una Aventura」でした。激しい暑さが続く毎日、ニーチェは不思議と清涼感があって毎日聴いてました。私も『Un Alto en el Camino』はよく聴きました。名作だと思います!
投稿情報: Borinquen | 2018/08/23 06:55
人それぞれの感覚ですので!?脱コロンビアカラー?に関しては私的にはより濃度が増した感じが記憶ではあった様な…1991年作辺りまでがLPにてリリースでしたかね^^1993年作は名作の一枚ですよね^^風景が見えてきます~
投稿情報: ピポ | 2018/08/22 18:24