味の変化を楽しむ喜びに震える
食材に特化したスペシャルも大好き。そして、それ以上に大好きなのが定番の純正ヒロポン。100で味わうと、まるで端正な襟足にそっと身を寄せた時の震えが、食べ進むに連れてぐぐっと引き込まれる姿に変貌する楽しみを知ったら、もう後には戻れない。
はじめの一口目のキレがあって澄み切ったスープ(見た目はどんよりしているが実はさらさら)にまずは唸る。二口三口四口たて続けにスープを含み何度も溜息。水曜日のカンパネラの♪脇の下サラサラ...が聴こえてきそうだ。いや、市川雷蔵と共演した「ぼんち」で見せる=魅せる、若尾文子の襟足のよう。
2/3ぐらい食べ進むとスープが妖艶=狂気のようなものがあらわれ、奥行きの深さにぐぐっと引き寄せられてくる。おそらく純正ヒロポンの虚構(ありえない)世界を思わせる味わいはどこまでも確信犯で腑に落とす。しかも無駄がなくかえって小気味いい。ああ、だから、いつも、食べ続けていたいと、食べ終えた後の深い余韻に酔いしれてしまうんだろうな。
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